日本の地名が消えている、と言われてピンと来る人はどれくらいいるだろうか。あまり意識されないかもしれないが、日本に古くからあった地名が、地図の上から次々と姿を消しているのである。 注目すべきは、その中に災害の歴史や地形的特徴に由来するものも含まれていることだ。そうした地名を示す「災害地名」という言葉もあるが、実際のところ、土地の安全性が地名でわかるのか。『地名崩壊』(角川新書)を刊行した地図研究家・今尾恵介氏がその理由を解説する。 拡大する「ブランド地名」 ――なぜ地図の上から、古くからある地名が消えているのでしょう? 地名には自治体としての市区町村名と、それを細分化した町名、大字(おおあざ)、小字(こあざ)があります。明治以降はどちらも激変していて、かなり多数の地名がすでに消滅してしまいました。 特に明治期には、合成地名(谷津+久々田+鷺沼=津田沼)など、安易な命名による自治体名が増えたの
![いま日本中で「地名」が次々消滅していることを知っていますか?(今尾 恵介) @gendai_biz](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/7696771b93fed92eff7283f2d9ed78fb41ef780e/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgendai-m.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2Fd%2F9%2F1200m%2Fimg_d959b61c4a97fcad8eeb533429e0a68336073.jpg)