「せっかくスライドを用意してもらったのに申し訳ないけどね、今回の決算はまずここを説明しないと」――。 4月26日に開かれた日本電産の2015年度決算説明会。永守重信・会長兼社長は開始と同時に用意されたスライドを次々と飛ばしまくり、会場をざわつかせた。 決算は好調だ。売上高は1兆1782億円(前期比14.6%増)、営業利益1245億円(同12.3%増)と過去最高を更新。精密小型モーターや車載用モーターが伸長し、収益を押し上げた。だが、永守社長は好調な業績を説明するスライドには見向きもしない。 アップル苦戦のあおりをうけたか? 一気に12枚目、第4四半期(2016年1~3月期)の営業利益を説明するスライドまで飛ばすと、永守社長は”反省の弁”を口にし始めた。「スマホ向けハプティックのビジネスが失敗に終わった。われわれにミスがあったとは思わないが、マーケットの動向を読み違えた。ここまで下振れすると