一流のミュージシャンが服装で教えてくれたこと 誰もが知っている海外の、あの大物ミュージシャンに2度、会ったことがある。 一度目は1989年だった。アポイントを取って、ひとりでロンドンまで出かけていってインタビューをした。 2度目は昨年の来日コンサートの時だ。東京ドームコンサートの開演前のわずかな時間に楽屋で会って、握手して、そして「1989年、あなたにインタビューしました」とひとこと伝えた。 いずれの時もわたしは彼本人と70センチくらいの至近距離で話をしている。本人をまじまじと見つめながら話をした。むろん、話の内容にも感心したけれど、それよりも何よりも、たたずまいや服装が大人の男と感じた。 「ああ、こうすれば立派な大人になれるんだな」と妙に納得した覚えがある。 いまもわたしは彼の服装、話し方、人を見送る時の気遣いなどを、時々思い出して、もっともっと立派な大人になろうと努めている。 最初にイ