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ブックマーク / yasuhisa.com (13)

  • UXデザイナーならではの 1年の振り返り方

    作品を載せるのがポートフォリオ? UXが付く肩書きは、何をしているのか詳しく聞いてみないと分からない課題がありますが、ポートフォリオも同様のことが言えます。 Web サイトにも同様のことが言えますが、デジタルプロダクトはリリース当時の状態に留まることなく改善が続くものばかり。また、チームで作ることがほとんどなので「これは私が作りました」と言い切れないですし、「UX を担当しました」とポートフォリオで説明されていたとしても、具体的に何をしたのかよく分かりません。 デザイナー向けのポートフォリオは大きく分けて 2 種類あります。 過去の作品を見せるギャラリー : 「すごい!良いデザインですね」と言われるようなビジュアルが並んでいる 就職のために必要なツール : 「ぜひ一緒に働いてみたい」と言われるための情報が揃っている 両方の役割を果たしているポートフォリオはありますが、「見せる / 魅せるポ

    UXデザイナーならではの 1年の振り返り方
  • デザイン原則を作るときに忘れてはならない「決める力」

    文脈で変わる『良い』デザインデザインシステムを作らなかったとしても、デザイン原則(Design Principle)と呼べるような「良いデザイン」の明文化をしておいたほうが良いです。 デザインは文脈によって「良いもの」にもなれば「悪いもの」にもなります。評価する人たちのなかで、共通の判断基準をもっていなければ話がまとまらないですし、デザイナーも何を作って良いのか分からなくなります。 「ノンデザイナーズ・デザインブック」のような書籍で書かれていることを実践すれば『良いデザイン』になるのかというと、Yes でもあり、No でもあります。見る側の視線や情報の流れを考慮しているかどうかを判断基準にするのであれば Yes になり得ますが、配信・運用のしやすさといった別の判断基準を加えると『正しく』作ったとしても No になる場合があります。 私たちがデザインを語る時、様々な『ファースト』に出会います

    デザイン原則を作るときに忘れてはならない「決める力」
  • ゲームから学べる学習ループUX

    楽しみながら上手くなれる ゲームは緊張感や派手な演出をテンポ良く見せるのが体験設計に欠かせませんが、アプリだと操作の邪魔にならない体験設計をしたほうが良いとされています。違うところはあるものの、アプリの UX を考える上で、ゲームデザインが参考になることが多々あります。 「おもしろい」のゲームデザイン の著者である Raph Koster さんは、「おもしろいは、学習の別名である」と言っているように、おもしろいゲームには遊びながら複雑なことができる学習ループがあります。スーパーマリオのステージ 1-1 は散々研究されている名ステージですが、任天堂が作るゲームは基礎を教え込むゲームデザインが優れているのが特徴です。 スーパーマリオ64 のインタビュー で、宮氏は「まず最初に基礎を固め、次に時間と野心が許す限り、そのコアコンセプトの最大化に力を注ぎます」と語っています。プレーヤー(ユーザー)

    ゲームから学べる学習ループUX
  • 新卒・就活中のUXデザイナーに伝えたこと

    見えないところが増えたことによる不安 最近、新卒・就活中の UX デザイナーとお話する機会がありました。 ここ数年、大学・専門学校を卒業しているアプリや web 志望のデザイナーを『UXネイティブ』と自分のなかで呼んでいます。UX デザインを体系的に学んでいますし、プロジェクトを通して体験をしている学生も少なくありません。デザイナーは単に見た目を良くするのではなくユーザーの課題を解決する提案が必要ということは言わなくても分かっていますし、プロダクトやサービスを成長させたいと思うデザイナーもいます。 そんな彼らですが、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で就職活動が難しい状況だと思います。見て回ることができない上、リモートワークに切り替わったことで仕事環境や文化が見え難くなったと思います。 採用する側(企業)は、ポートフォリオのレビュー、面接、体験入社といったプロセスはリモートになっ

    新卒・就活中のUXデザイナーに伝えたこと
  • そもそも戦略とは何か

    ビジネスシーンはもちろん、デザインの文脈でも耳にする「戦略」という言葉。よく使われる言葉ですが、実際どういう意味なのでしょうか。実はデザインにおいても戦略はとても重要で、作り方だけでなく評価にも大きく影響します。戦略を自分の言葉で表現するとしたら「どれも間違っていないけど、あえてコレと決めること」と捉えています。 間違いがないなかで決めること 例えば東京から池袋へ移動したいとします。この場合「池袋へ行く」がゴールになります。電車を使うとしたら丸ノ内線が最短ですが、JR 山手線でも同じ金額で行けます。もちろん電車以外にも車やバスを使うこともできます。お金持ちだったらヘリコプターで移動をするかもしれません。 移動手段は時間とお金で決めることが多いですが、他にも決めるための要素があります。 慣れているかどうか 寄り道するところはあるか 事故・障害が起こったときに回避できるか 一緒にいる人は誰か、

    そもそも戦略とは何か
  • デザイナーにもある詐欺師症候群とその対処法

    新人、ベテラン関係なく起こりうる実績を積んでいたとしても自信がつかない、むしろ自分はペテン師ではないかと疑ってしまう「詐欺師症候群(インポスター症候群)」という症状があります。2 年ほど前に女優のエマ・ワトソンが同症状に悩まされていると告白して話題になりました。彼女ほど成功していなかったとしても誰にでも起こりうる症状です。 私自身も詐欺師症候群に悩まされることがあります。Web やアプリのデザインは誰もが同意するような正しい手法はありませんし、むしろ走りながら覚えることが多かったりします。絶対正しいと言えるものが極めて少ないですし、何を信じて実践すれば良いのか分からないこともあります。常に悩んでいるわけではないですが、時に酷く落ち込んだり、外へ発信するのが怖くなることがあります。 UXに関する質問を受けたときも、同じような症状があるかもしれないという印象を参加者からも受けました。大企業でな

    デザイナーにもある詐欺師症候群とその対処法
  • デザインをスケールしていくための役割分担

    数だけのデザインチームは『弱い』インハウスデザイナーの数が少ない組織だとあらゆるコトができる方がいたほうが早く動けます。プロダクトはもちろんプロモーションやマーケティング用の成果物も作りますし、ディレクションに近いことをする場合もあります。小さなチームだとワークフローもシンプルですし、周りが何をしているかも Chatwork や Slack を眺めていればだいたい把握できるので身軽に早く動けることが重要になります。 しかし、組織が大きくなるとあらゆることが同時進行します。そこでデザインのスケール化が必要になるわけですが、小さかった頃と同じように「作る」に関わるあらゆる作業ができる人を求めている組織も少なくありません。 野球、サッカーのようなチームスポーツは良い例だと思いますが、それぞれが明確な役割をもってプレイをしています。デザインも同じようにポジションを明確にしてチームを作り上げていくべ

    デザインをスケールしていくための役割分担
  • 野放しは危険!デザイナーに潜む4つのモンスター

    身近にいるかもしれないモンスター達 「モンスターペアレント」なんて言葉が流行した時期がありましたが、そのデザイナー版もありそうです。一見、平穏そうな装いをしたデザイナーの中に潜む恐ろしいモンスター達。彼らがデザインの行程を台無しにしたり、品質を落としてしまう場合があります。 今回紹介するモンスター達は web やアプリのようなデジタルプロダクトをデザインしている人たち向け。特にデザイナーとしてキャリアを始めた頃に陥りやすいモンスターたちです。 俺一番モンスター 問題解決することがデザイナーの仕事ですが、自分が考えた解決案が絶対正しいとは限りません。誰でも自分が考えたアイデアを大事にしたいですが、過保護になるとかえって視野が狭くなります。デザインに関わる様々な手法がありますが、それが解決を導き出す唯一の方法ではありません。課題解決ができるのはデザイナーだけではないわけですから、「自分が絶対正

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  • 意外と難しいボタンのお話

    ボタン?それともリンク? 昨年からデザインシステムをテーマにしたセミナーやワークショップを何度か開催していますが、ワークショップに参加した方から「ボタンは難しい」という感想をいただくことがあります。ボタンの見た目を作ることも奥深いですが、もっと難しいのが、いつ、どこで、どのように使うかを共有すること。考え始めると「そもそもボタンとは何か?」といった疑問が浮かび上がります。 フォーム要素と一緒にあれば、ボタンだと断言しやすいです。HTML であればマークアップも <button> になりますし、アプリでも iOS であれば UIButton を使えば良いと判断できるはずです。 文章のあとに「今すぐ始める」というラベルが付いた要素があるとしたら、これはボタンと呼べるでしょうか。角丸のような装飾、注目されやすい色が使われているので、ボタンと見なすことができます。見た目はボタンっぽいですが、果たし

    意外と難しいボタンのお話
  • 日本の新聞サイトから学ぶパフォーマンスの現在

    パフォーマンスはすべてに関わる課題 パフォーマンスは利用者体験を向上するだけでなく、ビジネスにもプラスになります。コンテンツと同様、パフォーマンスはデザイン、エンジニアリング、ビジネスすべてに関わる重要な課題です。それを裏付ける事例をたくさん見つけることができます。 表示に 3 秒待たせることで 40% の利用者が離脱してしまう(Gomez) 表示速度を 68% 改善したことで、コンバージョン率が 7% 向上した(Ancestory.com) 4 秒遅くなったことでページビューが 11% 低下。20秒遅くなると 44% 低下した(Telegraph) サイトパフォーマンスを向上することで、ユーザープロフィールのインプレッションとスクロール率が上がった(Instagram) ショッピングサイトではパフォーマンスが 2 秒改善することで、離脱率が半分にまで減った(Radware) SEO にも

    日本の新聞サイトから学ぶパフォーマンスの現在
  • 協働のためのデザイン思考の再構築 : could

    2016年9月3日HTML5 Conference 2016が開催されました。1,200 人を超える参加者。6トラック同時進行という巨大イベント。どちらかと言えばエンジニア向けのセッションが多いイベントですが、そういう場だからこそ「ぜひ話したい」と思えたところがあります。 今回「協働のためのデザイン思考の再構築」という題名で話しました。以前からエンジニアとデザイナーとの間をどう繋げるかという課題について話したいという欲求がありました。ただ、こういうトピックはデザイナーばかりの場で話すのは意味ないですし、逆もしかりです。HTML5 Conference 2016 は、デザイントラックもあったことから、両方へリーチするには好都合。幸いエンジニアの方も私のセッションに参加していただいたみたいで、非常に嬉しかったです。 デザインシステムの課題 私は HTML, CSS, JavaScript は書

    協働のためのデザイン思考の再構築 : could
  • デザインドキュメンテーションにある制作と共有の課題

    ドキュメンテーションのための3つの課題 Web サイトデザインはもちろん、アプリデザインでも画面ではなく部品から始めるほうが有効です。画面ごとで制作していくと、いつの間にか一貫性を失うことがありますし、様々なスクリーンサイズに対応するためのルールを後付けにすると、結局またやり直しになってしまうこともあります。 では、インターフェイスを一度見直してスタイルガイド(パターンライブラリ)を作り始めれば良いのかというと、それほど単純は話ではありません。私の中で以下の 3 つの課題があると考えています。 人とコトの課題 – これはワークショップを通して指摘しましたが、ステークホルダーによって優先順位が違えば、指している要素の呼び名が違うことがあります。制作側視点だけで作ると思わぬ誤解が発生する可能性があります。 共有の課題 – 様々な企業が自社フレームワークを Web で公開しているのを見ても分かる

    デザインドキュメンテーションにある制作と共有の課題
  • データ中心になると忘れがちな直感の重要性

    データだけでは答えは導き出せない チームで工程を進めていく上で、何か根拠のようなものが求められます。そこで、デザインやコンテンツの定量・定性調査は欠かすことができません。「これは当に使いやすいのか」「集客できるのか」「儲かるのか」といった様々な声に対して応えなければならない状況があります。 最近は解析ツールの発展や A/B テストのような模索がしやすくなったことで、データ収集の敷居が下がりました。そして、データを基に実践するための『プロセス』や『フレームワーク』も幾つかあります。しかし、周りが納得するための十分なデータと、確立した手法を用いてプロジェクトを進めれば成功が約束されるのかといえばそうではありません。 以前、ポッドキャストのリスナーから「UXデザインプロセスを実践しても失敗することはあるのか?」という質問がありました。確立されたプロセスは、失敗する可能性を低くすることはできます

    データ中心になると忘れがちな直感の重要性
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