「道路が雪でも凍っていても大丈夫です。犬の足にはちゃんと凍えないシステムが備わっているんですよ」と語るのは日本ヒューマン・ドッグウォーキング協会顧問で獣医師の田邊弘子先生。 「犬の肉球は、『動静脈吻合』(どうじょうみゃくふんごう)という、毛細血管を間に挟まずに、動脈と静脈が直接つながっている構造を持っています。これにより、肉球が冷たくなると自律神経が働いて動静脈吻合が拡張し、血流量が増加して凍傷を防ぎます。それと同時に静脈血の冷えすぎを防ぐことができます」(田邊先生) これは寒い地域で暮らすペンギンのくちばしやイルカのひれなど他の多くの動物にも見られる仕組みだそうです。このことから犬の祖先は寒い地域に棲んでいたのではないかという説もあります。