いわゆる、物量で圧してくるギガ書店ではなく、厳選され演出されたセレクトショップをご紹介―――というよりも、そのガイド本をご紹介。いつもの本屋を通り過ぎ、電車に乗ってでかける価値あり。 『TOKYO本屋さん紀行』に紹介されてる書店に共通するのは、「人と本のつながり」。本は単品で並べられるのではなく、ある意図をもって他の本との関連性のもとで棚が編集される。そこには店員の意思があり、店のポリシーまで手繰ることができる。興味を惹いた一冊や既読本、さらにはイベントを通じて、棚とスタッフに共感する。同調する人が集まってくる―――これからの書店は、そういう「場」を目指しているようだ。 たとえば、千駄木駅から5分の往来堂書店。丁寧に編集された棚が、読み手に「発見」の喜びを教えてくれるという。著者や出版社で分けるのではなく、意味のつながりがある本を並べてつなげてゆく、いわゆる「文脈棚」。これが十八番だった松