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ブックマーク / dain.cocolog-nifty.com (25)

  • この書店がスゴい『TOKYO本屋さん紀行』『TOKYOブックカフェ紀行』

    いわゆる、物量で圧してくるギガ書店ではなく、厳選され演出されたセレクトショップをご紹介―――というよりも、そのガイドをご紹介。いつもの屋を通り過ぎ、電車に乗ってでかける価値あり。 『TOKYO屋さん紀行』に紹介されてる書店に共通するのは、「人とのつながり」。は単品で並べられるのではなく、ある意図をもって他のとの関連性のもとで棚が編集される。そこには店員の意思があり、店のポリシーまで手繰ることができる。興味を惹いた一冊や既読、さらにはイベントを通じて、棚とスタッフに共感する。同調する人が集まってくる―――これからの書店は、そういう「場」を目指しているようだ。 たとえば、千駄木駅から5分の往来堂書店。丁寧に編集された棚が、読み手に「発見」の喜びを教えてくれるという。著者や出版社で分けるのではなく、意味のつながりがあるを並べてつなげてゆく、いわゆる「文脈棚」。これが十八番だった松

    この書店がスゴい『TOKYO本屋さん紀行』『TOKYOブックカフェ紀行』
  • 科学とは何か『科学論の展開』

    科学の質に迫るスゴ。無批判に科学を信仰する者は悶絶する。 「科学」とは何か。実験で立証されたから?再現性があるから?反証に耐えてきたから?この問いをハッキリさせ、それに答えようとする試みが、書だ。帰納や演繹を始め、クーンのパラダイム論やラカトシュの研究プログラム、実証主義やベイズ主義など、科学哲学の議論を噛み砕き、咀嚼し、批判する。 「科学」の確からしさを信じる人は、衝撃を受けるに違いない。「科学」という確固たる観念があって、それが紆余曲折を経てきたのではないことが分かるから。その観念自体も揺れて再定義されてきたのだ。 たとえば、科学の「正しさ」を帰納に求める人がいる。実験や観察といった事実から理論を導き出しているから、正しいというのだ。これには七面鳥の喩え話を紹介する。飼育場で育てられている七面鳥は、「毎朝餌をもらえる」という結論を出すのだが、翌日はクリスマス・イヴで、首を切られて

    科学とは何か『科学論の展開』
  • この新潮文庫がスゴい!(徹夜小説編)

    「マイベスト新潮文庫」を探すべく、書棚と脳裏を漁るのだが……出るわ出るわ、記憶からも積山からも怒濤のごとく、文芸、海外歴史、冒険、ミステリ、ファンタジー、ドキュメンタリー、エッセイ……ありすぎて選べない。 だから、も一つ「しばり」を設ける。それは「徹夜小説」であること。ひたすら面白く、寝を忘れて読みふけった鉄板を挙げる。くれぐれも、明日がお休みの夜を見計らって手にしてほしい。 ■「シャンタラム」 グレゴリー・デイヴィッド・ロバーツ 未読なら、おめでとう。「これより面白いのがあったら教えてくれ」という傑作だから。憑かれたように読みふけり、時を忘れる夢中だ。(わたしは4回乗り過ごし、2度事を忘れ、1晩完徹した)。巻措く能わぬ程度じゃなく、手に張り付いて離れない。とにかく先が気になって気になって仕方がない。前知識は邪魔、完全に身を任せて、物語にダイブせよ。 とはいうものの、蛇足気味に補足

    この新潮文庫がスゴい!(徹夜小説編)
    yoshi84
    yoshi84 2012/04/12
  • 徹夜小説「シャンタラム」

    鉄板で面白い小説はこれ。 もしご存じないなら、おめでとう ! あらすじも紹介も無いまっさらな状態で、いきなり読み始めろ(命令形)。新潮文庫の裏表紙の"あらすじ"すら見るの厳禁な。あと、上中下巻すべて確保してから読み始めるべし。さもないと、深夜、続きが読みたいのに手元にないという禁断症状に苦しむことになるだろう。 どれくらい面白いかというと、ケン・フォレット「大聖堂」、中島らも「ガダラの豚」、古川日出男「アラビアの夜の種族」級といえば分かるだろうか。要するに、「これより面白いのがあったら教えて欲しい」という傑作だ。寝惜しんで憑かれたように読みふけり、時を忘れる夢中(わたしは4回乗り過ごし、2度事を忘れ、1晩完徹した)。巻措く能わぬ程度じゃなく、手に張り付いて離れない。とにかく先が気になって気になって仕方がない。完全に身を任せて、物語にダイブせよ。 このエントリも含めて前知識は邪魔。読め

    徹夜小説「シャンタラム」
    yoshi84
    yoshi84 2012/01/19
  • この本がスゴい!2011

    今年もお世話になりました、すべて「あなた」のおかげ。 このブログのタイトルは、「わたしが知らないスゴは、きっとあなたが読んでいる」。そして、このブログの目的は、「あなた」を探すこと。ともすると似たばかり淫するわたしに、「それがスゴいならコレは?」とオススメしたり、twitterやfacebookやtumblrで呟いたり、「これを読まずして語るな!」と叩いたり―――そんな「あなた」を探すのが、このブログの究極の目的だ。 昨年までの探索結果は、以下の通り。 このがスゴい!2010 このがスゴい!2009 このがスゴい!2008 このがスゴい!2007 このがスゴい!2006 このがスゴい!2005 このがスゴい!2004 昨年から始めたオフ会で、たくさんの気づきとオススメと出会いを、「あなた」からもらっている。目の前でチカラ強くプッシュしてもらったり、物語談義を丁々と続けたり

    この本がスゴい!2011
    yoshi84
    yoshi84 2011/12/02
  • 「要約 ケインズ 雇用と利子とお金の一般理論」はスゴ本

    経済学者が嫌いだ。 イソターネットで可視化された「経済学者」は、嘘つきで尊大で、自分以外は馬鹿に見えるらしい。誤りを指摘されると、猛々しく開き直り、詭弁を弄して話をすりかえる。「経済学者だから、さぞ金持ちだろう」は冗句だが、「経済学者だから、リーマンショックは予見しただろう」は洒落にならぬ。「経済学者が集まったから、EUクライシスの処方箋がまとまるだろう」は、もはや寝言だ。 しかし、わたしが間違っていた。ダメな「経済学者」がいるかもしれないが、「経済学」は価値がある、まちがいなく。ずっと避けてきたのに、とうとう出てしまったのだ、「ケインズ一般理論」の要約版が。岩波文庫で何度も撃沈していたものを、ていねいに噛み砕き、今に合わせて剪定してある。ありがたく感謝して読む。 もちろん一読で理解できるはずもないが、どこまで分かっていて、どこまで分かっていないかが、判別できた(←これ重要)。なのでクルー

    「要約 ケインズ 雇用と利子とお金の一般理論」はスゴ本
  • 料理を好きに自由にする「料理の四面体」

    読んだら覚醒した。料理が好きに自由になるスゴ。 たとえばオレンジページの「絶品ベスト20レシピ」があるとしよう。すると、その20品しか作れない。20だって凄いのだが、いかんせん替えが利かない。材や調味料が欠けると作れない。つまり、わたしにとって料理とは、「レシピ通りに切ったり火を通すプロセス」に過ぎなかった。 それだけでない。実は、書に出会う前に、衝撃的な料理べた。 一つは「大根のコンソメ煮」もう一つは、「白菜サラダ」だ。「大根のコンソメ煮」は、面取りした大根をコンソメスープでひたすらぐつぐつ煮込んだやつ。「白菜サラダ」は適当に切った白菜にドレッシングをかけたやつ。 なんだぁフツーと言うなかれ。わたしがガツンとやられたのは、「大根は出汁+醤油か味噌で」「白菜は鍋物」しかなかったから。大根とは根菜だから人参や玉葱と一緒だから、コンソメ煮も美味しい。白菜とは葉物だからサラダになる←そ

    料理を好きに自由にする「料理の四面体」
  • 「千夜一夜物語」はスゴ本

    「死ぬまでに読みたい」シリーズ。 「あたり」に出会うと、ずっと読み続けたい、終わらなければいいのに……と思うことはないか?ページを繰る手ももどかしいのに、ページが尽きるのを惜しむ、矛盾した感情。「千夜一夜物語」別名「アラビアンナイト」は、まさにその鉄板の面白さ。誰が読んでも面白いという点では、古今無類であり、読む人の心を喜ばせ、高め、慰める力を持っている。 しかも、バートン版。「千夜一夜」は多くの人が編さん・翻訳しているが、なかでも一番エロティックでロマンティックでショッキングな奴が、バートン版なのだ。淫乱で野卑で低俗だという批判もあるが、その分、意志の気高さや運命の逆転劇が、いっそう鮮やかに浮かびあがる。妖艶な表紙からして子どもに見せられないし、残虐だったりドエロだったり萌えまくる描写が山とある。これらは、人性のドロドロの濃淡・陰影をつけるための淫猥ではないかと。 物語のバリエーションは

    「千夜一夜物語」はスゴ本
    yoshi84
    yoshi84 2011/10/28
  • この「食」の本がスゴい!

    好きなを持ち寄ってオススメしあう「スゴ」オフ。今回のテーマは、「」だ。 を通じて人と出会い、人を通じてを知るコンセプトでやってきたが、今回は一味も二味も違ってた。なんせ、「べ物や料理と、それにまつわるがセット」なのだから。を通じて人を知り、人を通じて旨い料理に舌鼓キッチンスタジオを貸し切って、料理ながらプレゼンしながらべながら読みながらの5時間は、愉快すぎる一瞬間でしたな。参加いただいた皆さま、ありがとうございます。 まず結論。好きは、いしん坊だ。つまみ読みが大好きだし、夢中になると一気に読み干したりする。味見と称してパラ読みするし、比喩から味覚や感を組み立てるのもお手のもの。べてるそのものだけじゃなく、卓の風景とか場の雰囲気とかを勝手に想像しては涎をわかす。まことに好きはいしん坊なり。まずは、とれたての収穫を見てくれ。 業務用大型冷蔵庫をテーブル代わりに並

    この「食」の本がスゴい!
  • 紀伊國屋は売切れ御免、amazonは残り僅か「なぜ私だけが苦しむのか」

    オススメをプレゼンし、読みたくなった一冊を決める「ビブリオバトル」に行ってきた。 わたしが推したのは「なぜ私だけが苦しむのか」。付せんと傍線と書き込みで一杯の、この一冊は、死ぬまで手放すことはない。これは、「人生の保険」だ。を読む元気があるうちに読んでおき、いざ不幸の一撃に見舞われたときに思い出すなのだ。「買うべし(命令形)」と猛プッシュしたお陰で、ビブリオバトル終了直後、すぐに売り切れになった。 これ、ロングセラーなのに、置いてる屋や図書館が少ない。Amazonでもよく品切れになる(現在11点の在庫)。このが必要になるときは、人生のうちで必ずある。そのときは、すぐに読みたいはず。そして、「そのとき」に手に入るかどうか、分からないから。ここらは自動車保険や生命保険と同じ。「そのとき」になって直ぐに連絡できるよう、保険会社の連絡先は常に携帯している。同様に、イザというとき、この一

    紀伊國屋は売切れ御免、amazonは残り僅か「なぜ私だけが苦しむのか」
  • 夫必読「しんきらり」

    の気持ちを思いやる助けとなる。未婚の男性なら、「部屋とワイシャツと私」が十年たつとどうなるか? を想像するのに役立つ。読者は女が多いらしいが、むしろ男が読むべき。 結婚して十数年、わたしと嫁さんの距離はどんどん変わってきた。カイシャやネットのそれぞれの「場」で人格を使い分けるように、二人の関係は切り替わるように変わっている。子育てなら戦友、目が離せない年齢の現場は戦場そのもの。生活面ならパートナー、分担した家事を見直すときは、ルームシェアしているようにドライだ。趣味なら親友、読んだのオススメ合いや、深夜アニメで夜を徹したり。 キレイごとばかりではない。「これ以上言ってもムダ」と飲み込んだ、まさにその言葉をぶつけてくる。相手の感情をかき乱すゲームなら、世界一優秀なプレイヤーを前にして、怒らないよう自制するのは難しい。あきらめと口惜しさを感じながら、全く同じ感情を相手も味わっていることに気

    夫必読「しんきらり」
    yoshi84
    yoshi84 2011/09/09
    勉強になる本っぽいぞ。
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: スローセックス宣言

    宣誓!今日からは、スローセックスを実践します。射精だけを目的としたあわただしいセックスをしないことを誓います。たっぷりと時間をかけて、おたがいに満足のいくセックスを目指します。 を読んでこんなに反省したのは初めて。おかげで目が醒めた、悪いのは全部わたしだ。男子必読の一冊(女子は読んじゃダメ)。 ■蔓延するジャンクセックス ジャンクセックスとは、男性位の、射精だけを目的としたセックス。平均20分たらずのお粗末な行為で、お互いのカラダを使ったオナニーのようなもの。そのため、 「一度もイッたことがない」 「彼のことは好きだけどセックスは気持ちよくない」 「セックスが億劫」 「セックス嫌い」 「セックスよりも寝かせてほしい」…がホンネだという。セックスは挿入でありピストン運動であり射精であるというAV幻想が、セックスをジャンク化しているそうな。ううむ、耳に痛い。性春時代のリビドーは、チョコボー

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: スローセックス宣言
  • 音楽と快楽のあいだ「響きの科楽」

    ずっと不思議だった疑問、「なぜこの曲に心が震えるのか」。 その謎が、ようやく解けて感動してる。しかも、分かったからといって、その曲への愛着が薄れるどころか、いっそう(狂おしいほど)増している。音楽について新しい耳をもたらしてくれる、嬉しいスゴ音楽は音から成り、音とは振動のこと。振動が音になるしくみは糸電話で子どもに説明できる。だが、音楽の音と、雑音の音の違いは何か、いつ音は音楽になるのか、そして、なぜ音楽を聴くと心が揺さぶられるのか……音楽家でもあり物理学者でもある著者は、科学的に解き明かす。同時に、音楽を「芸術」という枠に押し込めていた思い込みを砕いてくれる。音楽は物理学を基盤とした工学であり、論理学に則った芸術なのだ。 まず、書でいちばん嬉しかった部分―――「なぜこの曲に震えるのか」を振り返る。音楽が感情を揺さぶるのは、転調に秘密があるという。音階が上がっていくにつれ、その調の

    音楽と快楽のあいだ「響きの科楽」
  • 食べることは、色っぽい「飲食男女」

    みだらで、せつなくて、うまそうな掌編たち。 べること、味わうことは、なにも「」に限らない。「べる」「味わう」には、男と女の味がする。「」も「色」も同じショク、事も色事も同じ事か。男と女の艶話に、にまつわる伏線が、張られ絡まれ回収される。 少年時代の甘酸っぱさは「ジャム」に注がれるレモン汁に象徴され、性春のひたむきな欲情は、「腐った桃」の、ゾッとするくらい甘い匂いに代替され、酸いも甘いもかぎわけた行く末は、「おでん」の旨みに引き寄せられる。同時に、イチゴジャムに喩えられた血潮の鮮烈なイメージや、山茱萸にべっとり濡れた唇が「あたし、いまオシッコしてるんだ」とつぶやく様は、いつまでも読み手につきまとって離れないだろう。 ありそでなさげな、でもひょっとしたら…というポリウレタン的寸止め感覚にぞくぞくする。ファイト一発的な青い性よりも、(書き手の年齢からくるのか)ちょっと疲れた年齢の、そ

    食べることは、色っぽい「飲食男女」
  • 「10代の子をもつ親が知っておきたいこと」はスゴ本

    あと数年で思春期にさしかかる。「なってから」読むのでは遅い。だから、「なる前に」やれる準備はしておこう。そのための心強い一冊となった。一読、「思春期の親業」に自信がつく、スゴというよりも、心構えをつくる。 もちろんマニュアル世代ですが何か? こういう手引きというかマニュアルを良しとしない人がいる。だが、むしろ先達の経験+専門家の知識を短期間で吸収できる。あたって砕けろ的な現場主義はいただけない。で練習して、実地に適用する。教ばかりも情けないが(ビジネス書フェチの畳上水練)、選んで読んで、実践とフィードバックをしていこう。 思春期のポイントは2つ、「自尊心」「コミュニケーション力」を育てること。「自尊心」とは、そのままの自分の存在を肯定する気持ちのこと。「コミュニケーション力」は気持ちを分かりやすく伝えることで、他者とのつながりを深めたり、求めるものを得る能力のこと。両者は密接な

    「10代の子をもつ親が知っておきたいこと」はスゴ本
    yoshi84
    yoshi84 2011/07/27
    「どうして?」ではなく「どうしたかったの?」などの何を考えたのかを聞き出すこと。子供だけじゃなくて人とのコミュニケーションを円滑にするためのキーポイントかもしれない。相手の意図を汲み取る。
  • わが子に読ませる「この世でいちばん大切なカネの話」「ぼくんち」

    スゴオフ「元気をもらった」で手に入れた逸品。 サイバラ節が炸裂しつつも、「これからオトナになる人に読んで欲しい」想いが詰まっている。というのも、お金がないことが人をどれほど追い詰めてボロボロにするか、お金があることでどれほどの不幸から身を守れるかが、文字通り身を削って描かれているから。 そう、「カネさえあれば幸せになれる」といったら異論が出るだろうが、「カネさえあればかなりの不幸を回避できる」は当だ。カネを使って不幸を撃破しつつ、幸せに匍匐前進するのが"勝ち目"のある戦い方だろう。まちがえてはいけないのは、戦う場所と相手。彼女が目指したのは、予備校の順位で最下位からトップを目指すのではなく、「この東京で、絵を描いてべていく」こと。これが、最下位による、最下位からの戦い方だという。 そして、自分の得意なものと、自分の限界を知ったうえで、「ここで勝負」という、やりたいこととやれることの

    わが子に読ませる「この世でいちばん大切なカネの話」「ぼくんち」
    yoshi84
    yoshi84 2011/07/26
    「カネさえあれば幸せになれる」といったら異論が出るだろうが、「カネさえあればかなりの不幸を回避できる」は本当だ。
  • 暁美ほむらの慟哭「紫色のクオリア」

    「まどかマギカの種」と教えてもらって手にする。 書は、真っ二つに割れている。前半は、「人間がロボットに見える少女」の話だし、後半は、「その少女の親友が彼女を救けようとあがく」話になる。なるほど、後半は、まどかマギカをホーフツとさせる設定が見え隠れする。 特に、どうやっても救えない助けられない瀕死で微笑む手遅れ状態のまどかに向かって銃口を向けながら「う゛ーーーっ!!」と叫んだ暁美ほむらの咆哮を、確かに共有できる。後半の主人公に移入して、あの、身を揉むような絶望をシンクロする。 ただ、誰かを助けること+「時」やり直すこと、たくさんの可能性をくり返し試し続けること……といった設定だと、湯水のように使われる設定になる。うる星とドラえもんとハルヒのゴッタ煮のなかに、アルフレッド・ベスターやシュレディンガー、哲学的ゾンビのネタが混ぜ込んである。書いた人、「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO」を泣

    暁美ほむらの慟哭「紫色のクオリア」
    yoshi84
    yoshi84 2011/07/06
    ふむふむ。まどまぎみたら読んでみたいかも。
  • 愛し愛されて生きるため「上手な愛し方」

    喧嘩で怒っている嫁さんへの唯一解は、ルール32にある。 ご存知のとおり、ヒートアップした彼女に対して、「やってはいけない」ことは山ほどある。冷静に反論、誤謬の指摘は、火に油。適当に「ゴメン」で済ますなら、「当に悪いと思ってる? 」と逆ネジ喰らい、説明を求められるのがオチ。そして、説明に失敗すると、今度は火にガソリンになる。 では、どうすればよいのか? ルール32は、「自分から先にあやまる」。さっきと一緒と思いきや、まるで違う。「なにを謝るのか」が違うのだ。ホントは自分が正しいと思っているのに、「ごめん」と言うのは偽善だろう。自分の意見や行動について、謝罪するわけではない。互いの意見の違いについての"議論"を"ケンカ"に変えてしまったことを謝るのだ。ケンカは一人でできない。つまり、ケンカを成立させてしまうほど自分が子どもじみていた、この一点に集中するのだ。 異なる意見の是是非非を唱えるなら

    愛し愛されて生きるため「上手な愛し方」
    yoshi84
    yoshi84 2011/06/10
    すごくいいエントリ。ケンカしてしまったときの謝る時は>互いの意見の違いについての"議論"を"ケンカ"に変えてしまったことを謝る。
  • 子育ての原則=待つこと「男の子が自立する子育て」

    最初に結論。子育てで最も大切なことは、「待つ」こと。 「父親」をやるようになって十年たつ。もう赤ちゃんでも幼児でもなくなり、いわゆる「手がかからない」状態だが、もうしばらく父業は続くだろう...子が自立するまで。やネットを読み漁り、近所の同業者と相談したり、試行錯誤をくりかえしてきた。育児関連は沢山あるが、子育ての原則はこれに尽きる、「待つこと」。 具体的に何をどうケアするかは時期それぞれになるが、準備をしたら、あとは見守る。助走を手伝ったり、しばらく併走することはあるかもしれない。だが、構えは「待つ」だ。実のところ、わたしはこの「待つ」が苦手だ。つい、口を出したり手を出したり「なんでできないの!」と叱ったりする。そのたびに反省しながら、子どもの成長を待つのが親の仕事だと自分に言い聞かせる。 放任ではなく、見守る。環境を整えたら、あとは子どもは育っていく。子どもの「育ち」を信頼するのだ。

    子育ての原則=待つこと「男の子が自立する子育て」
    yoshi84
    yoshi84 2011/05/23
    子育ての原則はこれに尽きる、「待つこと」
  • セックスの回数が増えている件について

    3.11の前と後で、増えてる、きちんと数えてないが、2倍ぐらい(当社比)。 未曾有の危機を目の当たりにし、「ゆれ」に対して極端に敏感になっており、身体モードが戦闘態勢に入っているからだろうか。加えて、目先の不安、将来の不確かさが「生きること」そのものへの欲求をつのらせているからだろうか。生命の危機に瀕すると、生命を残そうとする情動スイッチが興るのだろうか。 吊橋効果というコトバがある。ぐらぐらする吊橋を男女で渡るとき、恐怖によるドキドキを恋愛によるドキドキと勘違いしてしまうやつだ。聞くところによると、婚約指輪がバカ売れしているそうな。コンドームも然りかと。揺れているのは福島だけではない。日列島という弧が巨大な吊橋と化しているのか。 いずれにせよ、スイッチが入ったのは、わたしだけでない。行為に没頭することで不安を鎮めようとするのか、互いが互いにしがみつく。だが、これが「」になると想像力を

    セックスの回数が増えている件について