今回は地下水監視マネジメントにおけるモニタリングの手法として干渉SAR解析を用いた変位計測技術を紹介します。第2回で地盤沈下観測の事例で衛星データの活用について触れましたが、衛星データの活用のメリットや活用例を紹介します。 地番沈下は発生すると元にもどらない現象ですので、継続的な監視による早期の発見が重要です。国や地方公共団体が水準測量による監視がおこなわれていますが、水準測量を用いた地盤沈下の監視は多くの費用や人員が必要で、水準測量による監視が困難な状況になりつつあります。 そこで、監視体制を維持しつつ、効率的かつ効果的な地盤沈下の観測技術の一つとして人工衛星データを活用した監視が近年注目されています。 環境省が発行した「地盤沈下観測等における衛星活用マニュアル」には、干渉SAR解析を用いた監視に関する技術情報や導入手順が記載されています。地盤沈下監視マニュアルより以前に出た地盤沈下監視
千葉大学大学院融合理工学府博士後期課程3年生の西勝之進氏、環境リモートセンシング研究センターのヨサファット・テトォコ スリ スマンティヨ教授を中心とする国際研究チームは、神奈川県横浜市、横須賀市、三浦市の地盤沈下を「連続差分干渉SAR解析(Consecutive DInSAR)注1)」という手法を用い、他のモニタリング手法との比較検討を実施しました。その結果、地盤沈下のメカニズムを特定することに成功しました。 本研究により、Consecutive DInSARは高精度に地盤沈下を検出することのできる新たなツールとなる可能性が示されました。 本研究成果は、2022年12月28日に国際学術誌 Geocarto Internationalに掲載されました。 ■ 研究の背景 地盤沈下とは、主に地下水を過剰に汲み上げることで土中に含まれる水が絞りだされ、粘土層が収縮することにより地面が沈む現象です。
株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)は、2020年10月より東日本電信電話株式会社(以下、NTT東日本)に、広域災害の被災状況を早期に把握し、迅速なインフラ復旧を支援する衛星画像ソリューションを提供開始します。 本ソリューションは、指定エリアの災害前後の情報を衛星画像から取得し、現況把握と復旧計画の策定を支援するものです。従来衛星画像の提供は、衛星への事前予約等が必要であり、天候により撮影可否が決定するため、1カ月を要することもありましたが、異なる特性を持つ3つの衛星を組み合わせることで、最短半日での提供が可能となります。本ソリューションを活用して、NTT東日本の管理区域である東日本全域を網羅する衛星画像をあらかじめ整備し、発災後に新たに撮影した衛星画像との差分解析で、変化箇所を抽出します。これにより災害時の浸水域や土砂災害エリアを特定し、「面的点検の優先順位付け」「復旧ルートの検討
廃棄物の不法投棄及び不適正保管の早期発見に向け、衛星データを活用して新たな監視方法を構築する『ひろしまサンドボックス』※1実証プロジェクト(行政提案型)に、株式会社Ridge-i(本社: 東京都千代田区、代表取締役社長: 柳原 尚史、以下「リッジアイ」)の提案が採択されたことをお知らせします。 本実証実験は本年9月より開始し、来年3月の最終報告にて衛星データによる不法投棄自動検出の検証結果の報告を行う予定です。 ※1 『ひろしまサンドボックス』(https://hiroshima-sandbox.jp/)とは、AI/IoT、ビッグデータ等の最新技術を活用することで広島県内の企業が新たな付加価値の創出や生産効率化に取り組めるよう、技術やノウハウを保有する県内外の企業や人材を呼び込み、様々な産業・地域課題の解決をテーマとして共創で試行錯誤できるオープンな実証実験を構築できる場です。 ■ 実証プ
今回はSpaceNetというプロジェクトが主催しているコンペティションと、高精度を叩き出したアルゴリズムの紹介をします。 (1) SpaceNet Challengeとは? まずSpaceNetとは何でしょう? SpaceNetとはCosmiQ Works、Maxar Technologies、Amazon Web Services (AWS)などが協力して運営をしているプロジェクトです。道路網や建物の位置のラベリングがなされた大量の衛星画像データ(図1)を集積しており、機械学習の研究にぴったりです。 図1. SpaceNetのデータ例 彼らはたびたびコンペティションを開催しているのですが、今回は特にSpaceNet 3:Road Network Detectionという第三回目のコンペティション「(SpaceNet 3: Road Network Detection)」について紹介しよう
自然災害が発生した際に,被災地を広域に把握する手段として,周期性・網羅性・広域性を有する地球観測衛星の活用が期待されている.戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2 期における研究開発項目の2 番目である「Ⅱ 被災状況解析・共有システム開発」において,「衛星データ等を用いて,一定条件下において,昼夜,天候を問わず数百km 四方の範囲の被害状況を政府の防災活動に資するよう発災後2 時間以内に観測・分析・解析する技術を開発すること」を目指した研究開発を防災科研が代表となって実施した.その結果,技術開発としてのアウトプットとして,災害時に衛星観測を活用するためのリソースの類型化を行い,災害時の衛星活用に向けた4 つのステップ(Trigger, Select, Process,Deliver & Share)を新たに提案し,それらを実現する各種技術と情報システムを開発し,それらを利用可能な
VEGAについて VEGAは、Google が公開している「Google Earth Engine」上で動く衛星データ可視化アプリです。 VEGAを使えば、無料公開されている衛星データを簡単かつ瞬時に可視化・解析し、様々なカラー合成画像を作成できます。 VEGAはプルダウンメニューの選択と数値の入力だけで操作でき、通常Google Earth Engineの操作に必要なJavaScriptなどの特別な知識や技術は不要です。初心者の方もお気軽にご利用いただけます。 多くの方に衛星データ利用の機会を提供するため、RESTECが開発し無償公開しています。また、ユーザ登録も必要ありません。 VEGAでできること 衛星データからは、地球や大気に関する様々なことが見えてきます。 VEGAで作成した画像でわかる事象を具体的にご紹介します。 環境問題 湖の縮小 アラル海の1987年と2022年を比較すると
2021年10月2日から3日にかけてNASAが主催するSpace Apps Challengeが今年も開催されました。COVID-19によるパンデミックを鑑み2年連続でオンライン開催となりました。この記事は豊橋会場にてDream Clean Streamチーム(ソーシャルグッド賞受賞)として参加した筆者の体験を基に、衛星データを用いて海洋や河川のゴミが見つけられるのかという試みについて紹介いたします。 プロジェクト概要 プロジェクト名:Dream Clean Stream プロジェクトページ:Space Apps Challenge内 https://2021.spaceappschallenge.org/challenges/statements/leveraging-aiml-for-plastic-marine-debris/teams/dream-clean-stream/proj
1話目「Starlink で実現する、山奥キャンプ場の高速インターネット環境」に続き、今回はStarlink の「PORTABILITY」(ポータビリティ機能:ROAMプラン)を有効にして、携帯電話も従来のインターネットも繋がらない場所で仕事をする企画「エクストリーム・ノマドワーク」をやってみました。 ポータビリティ機能とは、本来の契約である住所以外の場所でもスターリンクを利用できるオプション機能です。キャンプなどにスターリンクを持ち出して、そこで快適に仕事ができる雰囲気を感じます。本当にそんな理想的な仕事環境が構築できるのか、早速試してみましょう。 まずは、 lightpollutionmap.info を活用して、光害レベルの低い場所で東京からそこそこアクセスの良い場所をザックリ絞り込みます。 lightpollutionmap.info を活用して、光害の少ない場所を探す そして、d
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く