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ブックマーク / itlaw.hatenablog.com (12)

  • 判例一覧 - IT・システム判例メモ

    当ブログで掲載する判例のリストです。 システム開発紛争については,下記リンクに争点別インデックスをまとめています。 http://d.hatena.ne.jp/redips+law/20291231/1336030928 判決年月日別 令和6年(2024年) 大阪地判令6.1.29(プログラム著作物性と黙示的許諾の有無) 大阪地判令6.1.16(棋譜データの利用と配信) 令和5年(2023年) 東京地判令5.10.4(グーグルマップと個人情報データベース等) 東京地判令5.5.31(業務委託契約と知的財産譲渡の合意) 知財高判令5.4.13(スクリーンショットと引用成否(控訴審)) 知財高判令5.3.30(YouTube動画の引用成否) 知財高判令5.3.16(情報番組における個人サイト記事の無断転載) 前橋地判令5.2.17(自治体システムへの不正アクセス) 令和4年(2022年) 知財

    判例一覧 - IT・システム判例メモ
  • ユーザの協力義務違反 札幌高判平29.8.31(平28ネ189) - IT・システム判例メモ

    システム開発頓挫の責任が,仕様凍結の合意後も大量の追加仕様を要求し続けたなど,ユーザにある一方で,ベンダは,リスクの説明をするなど,PM義務の履行をしていたとされた事例。旭川地判平28.3.29(http://d.hatena.ne.jp/redips+law/20161103/1478099168)の控訴審判決。 事案の概要 ユーザ(医療法人)Xは,ベンダYに対し,病院情報管理システム(件システム)の導入を依頼したが,納期までに件システムの完成及び引渡しが得られなかったために,債務不履行に基づく損害賠償請求をした。 他方,Yは,Yには帰責性がなく,Xに協力義務違反,受領拒絶があったとして,債務不履行に基づく損害賠償を請求した。 原審(旭川地判平成28年3月29日)では,Xの追加開発要望に翻弄されたとはいえ,Yがプロジェクトを適切に管理することができなかったことによって頓挫したとし,Y

    ユーザの協力義務違反 札幌高判平29.8.31(平28ネ189) - IT・システム判例メモ
  • 顧客情報の管理(ベネッセ事件刑事)東京地立川支判平28.3.29(平26わ872) - IT・システム判例メモ

    顧客情報の持ち出しと名簿屋への販売行為について,不正競争防止法違反に問われた事例(刑事事件)。なお,件は,控訴され,控訴審(東京高判平29.3.21)では量刑が変更されている。 事案の概要 通信教育事業者aの情報システムの開発等に従事していたXは,aの顧客の氏名,生年月日,住所等の情報を,貸与されていたPCから,USBケーブルを経由して自己のスマートフォンの内蔵メモリや,ファイル送信サービスを利用して領得ないし第三者に開示したことが,不正競争防止法違反(平成27年改正前の21条1項3号ロ,4号)にあたるとして起訴された。 不正競争防止法21条1項 三  営業秘密を保有者から示された者であって、不正の利益を得る目的で、又はその保有者に損害を加える目的で、その営業秘密の管理に係る任務に背き、次のいずれかに掲げる方法でその営業秘密を領得した者 イ (略) ロ 営業秘密記録媒体等の記載若しくは記

    顧客情報の管理(ベネッセ事件刑事)東京地立川支判平28.3.29(平26わ872) - IT・システム判例メモ
  • 情報漏えい行為による損害 東京地判平27.3.27(平25ワ13802) - IT・システム判例メモ

    元同僚の残業代請求訴訟の証拠として用いる目的で,社内の情報を漏えいしたことについての責任と損害。 事案の概要 (原告が2当事者(会社と税理士法人)いるが,簡略化して,Xと表記する) Xの元従業員であったYが,業務上の機密を第三者に漏えいしたとして,労働契約上の機密保持義務違反による債務不履行に基づく損害賠償を請求したという事案である。 持ち出したとされる情報は,「集計シート」と呼ばれるもので,担当する顧客ごとにどのような業務を,どれくらいの時間をかけて作業したのかという表形式の文書である。Yは,Xに在職中に,自己以外の数名の元従業員Bらの分の「集計シート」(件データ)をUSBメモリにダウンロードし,Xを退職した後に,Bに渡した。 Y及びBらは,Xに対し,未払残業代請求訴訟(別件訴訟)を提起し,当該別件訴訟において,件データをプリントアウトしたものを証拠として提出した。 ここで取り上げる

    情報漏えい行為による損害 東京地判平27.3.27(平25ワ13802) - IT・システム判例メモ
  • 請負・準委任の区別と追加報酬請求の可否 東京地判平28.4.20(平25ワ11770) - IT・システム判例メモ

    開発委託契約の性質(請負・準委任の区別)と,追加報酬請求の可否や範囲が問題となった事例。 事案の概要 ソフトウェア開発会社Xは,Yから,無線LANアクセスポイント(件製品)用のソフトウェア(件ソフトウェア)の開発を受託した。Yは,同時に,他の会社にハードウェアの製作や,技術提供を委託していた。Yはa社から件製品の開発を委託されていた。XY間の取引には下請法が適用される。 Yは,Xに対し,平成23年4月,開発計画書を提示した。Xは,同月から,件開発計画書に基づいて基設計を行い,同年6月,Yに対し,見積書を提示した。当該見積書には,すでに実施した6月までの実績工数として42.24人月,7月以降の工数見積もりとして80.8人月,合計で123.04人月・報酬約9500万円となることが記載されていた。XとYは,当該見積について協議し,既存ソフトであるSDKの流用であるから試験工数が減らせる

    請負・準委任の区別と追加報酬請求の可否 東京地判平28.4.20(平25ワ11770) - IT・システム判例メモ
  • ネットバンキングサービスの障害 東京地判平26.10.1(平25ワ33103) - IT・システム判例メモ

    ネットバンキングサービスの障害によって金融取引に生じた損害の賠償責任が問題となった事例。 事案の概要 Xは,FX取引の利用者であり,Zの提供するFX取引サービスを利用していた。また,Xは,Y銀行が提供するネットバンキングサービス(件サービス)を利用しており,Y銀行の提供するクイック入金サービスのユーザであった。 クイック入金サービスは,24時間いつでも加盟店のサービス・商品代金等を支払えるというサービスであるが,Zは,Y銀行の加盟店であった。 平成23年3月11日に東日大震災が発生し,義援金の振込入金処理が集中したことに起因し,同月14日から24日にかけて,Y銀行で大規模なシステム障害(件システム障害)が発生した。Y銀行は,件システム障害に対応するため,同月16日午後から翌日午前にかけて,件サービスの利用を制限した。 ちょうどそのころ,Xは,FX取引を行っており,ロスカット条件を

    ネットバンキングサービスの障害 東京地判平26.10.1(平25ワ33103) - IT・システム判例メモ
  • 表題「請負」で実質はSES契約 東京地判平27.6.25(平25ワ11199) - IT・システム判例メモ

    月単位,人単位で業務に従事させた契約の解釈が問題となった事例 事案の概要 ベンダXとユーザYは,平成23年5月31日,請負業務に関する基契約(件基契約)を締結し,件基契約に基づく個別契約として,3回にわたって(合計代金420万円)が締結された。作業内容は,美容サロン向けのPOSシステム(件システム)の改修作業であった。 件基契約によれば,代金は,Yが件システムを組み込んだ製品を販売した代金から配当することによって支払うこととされていた。 しかし,Yが,不具合がある等と主張し,これを支払わなかったことから,Xは代金420万円の支払いを求めた。 ここで取り上げる争点 Xは仕事を完成させたか 裁判所の判断 個別契約書には次のような記載があった。 1.件委託内容は、件製品の改修作業に関し、XY協議の上1人月相当と合意した作業を、Yの指示に従って行うものとし、改修後の件製品の

    表題「請負」で実質はSES契約 東京地判平27.6.25(平25ワ11199) - IT・システム判例メモ
  • 請負か準委任か 東京地判平24.3.14(平23ワ690) - IT・システム判例メモ

    調査契約,保守管理契約という2つの契約の法的性質(請負・準委任)が争われた事例。 事案の概要 ベンダXは,ユーザYとの間で,平成22年2月5日,システム設計及び開発業務を受託する業務委託基契約(件基契約)を締結した。XとYとの間で,以下の3つの個別契約が締結された。 件システム移行開発契約(委託料合計997万5000円) 件システム移行調査契約(調査要員1名が移行計画の立案等を行うもの。委託料月50万円) 件保守管理契約(サーバ管理等を行うもの。初期費用137万5500円,保守管理費用+レンタルサーバ費用の合計月297万1500円) Xは,Yに対し,件システム移行調査契約に基づく業務委託料105万円及び件保守管理契約に基づく746万5500円の支払いを求めた。 Yは,Xとの件システム移行調査契約及び件保守管理契約は,請負契約であって,仕事が未完成であるから支払わない,

    請負か準委任か 東京地判平24.3.14(平23ワ690) - IT・システム判例メモ
  • データ移行失敗の責任 東京地判平22.11.18(平20ワ15062) - IT・システム判例メモ

    既存システムからのデータ移行ができなかったことが債務不履行に該当するか否かが争われた事例。 事案の概要 Xの運営する調剤薬局では,1日あたり200人から300人程度の患者に対して調剤を行っており,合計5万人以上の患者データが既存システムに保存されていた。しかし,既存システムの動作に不具合が生じるようになったことから,新システムの導入を検討し,Yのシステムを導入することとした。 Xと,ソフトウェア開発業Yとは,平成18年4月14日,以下の内容の売買契約(件契約)を締結した。 目的物:調剤管理システム及び薬歴管理システム(以下総称して「件システム」) 売買代金:2000万円(税別。着手金1000万円と,検収月に残額1000万円を支払う。) 納期:平成19年3月11日 Xは,着手金+消費税1050万円を支払ったが,Yは,既存システムに保管されていた患者データの移行を試みたが,来局情報や過去の

    データ移行失敗の責任 東京地判平22.11.18(平20ワ15062) - IT・システム判例メモ
  • 規約文言(禁止事項)の解釈 東京地判平27.4.8判時2271-70 - IT・システム判例メモ

    利用規約で禁じられていた「面識のない異性との出会い等を目的として利用する行為」の該当性と,それに基づくアカウント利用停止が問題となった事例。 事案の概要 Xは,Yの運営するSNSの会員であった。Yの利用規約(件利用規約)には,次のような規定があった。 第14条 ユーザーは,サービスの利用にあたり,次に掲げる行為を行ってはならないものとします。禁止事項に違反した場合には,強制退会,利用停止,日記等の情報の全部もしくは一部の削除,又は公開範囲の変更等の不利益な措置を採ることがあります。 (1)から(7)は略 (8) 面識のない異性との出会い等を目的として利用する行為 第19条 1から5は略 6 弊社は,利用規約又はその他の利用規約等に違反する行為又はそのおそれのある行為が行われたと信じるに足りる相当な理由があると判断した場合には,当該行為を行ったユーザーの強制退会処分,日記等の情報の全部

    規約文言(禁止事項)の解釈 東京地判平27.4.8判時2271-70 - IT・システム判例メモ
  • ユーザ事情による解除 東京地判平27.3.24(平24ワ6128) - IT・システム判例メモ

    システム開発プロジェクトが頓挫したが,その原因がユーザ側の事情によるものであるとして,ユーザの損害賠償義務が認められた事例。 事案の概要 Yは,総合通販用の基幹システムの刷新を目的として,平成22年8月9日に,ベンダXに対し,要件定義を委託した(件個別契約1。委託料1億4550万円)。Xはシステムフロー設計書等を納品し,YからXに上記委託料が支払われた。 同年11月1日には,XY間で,件基契約が締結された。その内容は,件業務(要件定義作成支援,外部設計書作成業務,ソフトウェア開発業務,ソフトウェア運用準備,移行支援業務から構成される。)をXに委託すること,開発を3フェーズに分けて,フェーズごとに個別契約を締結すること,件業務の対価の上限を約13億とすることなどが定められていた。件基契約締結時点において,第1フェーズはすでに終了しているという位置づけだった。 同日,XY間で第2

    ユーザ事情による解除 東京地判平27.3.24(平24ワ6128) - IT・システム判例メモ
  • 【争点別】システム開発をめぐる紛争インデックス - IT・システム判例メモ

    システム開発紛争事例を,争点別にまとめました。非常に乱暴に要約しているので,詳細はリンク先または判決文をご確認ください。個別のエントリを追加したら随時インデックスも更新します。 契約の成否 契約締結上の過失 契約の個数・性質 仕様の認定・契約の内容 プロジェクト中断の責任 システムの完成 瑕疵(契約不適合) 追加費用・仕様変更等の報酬算定 費用の減額 過失・責任論 損害論 合意解約 その他 契約の成否 ■システム開発請負契約は,ベンダから仕様書,見積書等が提示され,これをユーザが承認して発注することにより相互の債権債務の内容が確定した段階で成立する(名古屋地判平16.1.28) http://d.hatena.ne.jp/redips+law/20100108/1327130292 ■システム開発総額の見積書が提示されたものの,開発範囲はFit&Gapの結果によって決まるなどの記載に照らす

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