誰が言い出したかは知らないが、昨年中東では「アラブの春」と呼ばれる政治現象に注目が集まった。 欧米メディアを中心に「アラブ民主化」に関する希望的観測が「これでもか、これでもか」と垂れ流された。中には、およそ実態とはかけ離れた分析や見通しが1面トップを飾ったケースも少なくない。 筆者が最も笑ったのは「アラブの春」なる表現だ。皆さんは「hamsiin(ハムシーン)」という言葉をご存じだろうか。 hamsiinとは、毎年2月下旬から4月中旬頃まで、断続的に北エジプトを襲う大規模な砂嵐のこと。エジプトの夏は長く暑い。その直前のごく短い「春」に起こる、あの実に不快な自然現象である。 語源は不明だ。アラビア語で「hamsiin」は「50」を意味する。外務省入省後、筆者は1979年から2年間カイロに住んでアラビア語を研修していた。 その由来は春の砂嵐が「50日間続くからだ」と当時聞いた覚えがある。このほ
![1年前の熱狂はどこへ? エジプトの民主化運動 カイロの春は砂嵐の春~一神教世界の研究(その5) | JBpress (ジェイビープレス)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/b616cbae46845b2d491a70fa0998a803795ab85a/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fafpbb.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F5%2Fc%2F-%2Fimg_5cfdc6b59262f41a0fc02af062501c8f326725.jpg)