「外務省機密費詐取事件」――この事件を機に、国民は領収書の要らないカネの存在を知った。霞が関に切り込んだのは一癖も二癖もある刑事たち。彼らの知られざる活躍を描いたノンフィクション『石つぶて』の著者・清武英利氏、そのドラマでメガホンをとる若松節朗氏、そして実際の事件で、自ら捜査班を率いた元警視庁捜査二課の萩生田勝氏が政官を揺るがせた大事件を振り返る。 (WOWOWドラマ「石つぶて」完成披露試写会にご招待! 詳細はWOWOW特設ページから→http://www.wowow.co.jp/plusw/present.php?p_id=5678) 10億円を自分の口座に 清武 2001年3月10日、元外務省要人外国訪問支援室の松尾克俊室長が詐欺の容疑で逮捕されました。内閣官房報償費、いわゆる「機密費」が、外務省の一ノンキャリアによって流用された前代未聞の事件です。 萩生田 松尾は、'93年10月から