きょうは終戦記念日。東南アジアで暮らしていると、この時期はなんとなく肩身の狭い思いをする。今年は、東日本大震災に加えて、菅内閣の全閣僚が靖国参拝はしないと“配慮”したこともあり、東南アジアではあまり「靖国問題」は騒がれていないようだ。だがもし仮に日本の首相が靖国神社をお参りした場合、東南アジアの人たちは心の中でどう受け止めるのか。 「ヤスクニって知っている?」 フィリピンに住んでいたころの話。靖国問題が地元メディアで騒がれていたある年の8月、勤務先のメッセンジャーボーイにこう尋ねてみたことがある。 「ヤスクニ? だれ? 知らないよ」 メッセンジャーボーイは、社会の底辺近くで暮らす人たち。教育レベルも小学校卒業か高校中退程度(フィリピンに中学校はない)と高くない。だから仕方ないかもしれないが、彼はヤスクニを知らなかった。 それはそうだ。日本の首相がヤスクニに行くかどうかを心配するより、自分の