頭髪やあごひげの根元についた細胞から、24時間周期の体のリズムを刻む体内時計を動かす「時計遺伝子」の活動パターンを簡単に精度良く測定することに、佐賀大と山口大などの研究チームが成功した。体内時計の乱れは体調不良や高血圧、糖尿病などの病気の発症にかかわるため、病気の治療や予防、時差ぼけの解消などへの応用が期待される。24日付米科学アカデミー紀要で発表した。 時計遺伝子は20個ほどあり、体のすべての細胞内に存在する。これまで血液や口の中の粘膜の細胞で測ろうとしてきたが、手法が煩雑で精度も低かった。 明石真・山口大教授(時間生物学)らは、体毛を引き抜くと根元についてくる毛包細胞に着目。時計遺伝子がたんぱく質を作る過程でできる物質(伝達RNA)の増減を測定すると、三つの遺伝子で24時間周期の明確な変動パターンがあった。量が最も多いピーク時刻は、早起きの人で早いなど個々の生活習慣に対応するほか、