遺伝子治療に新手法が登場した。DNAの遺伝情報はRNAに転写され、さらにタンパク質に翻訳される。DNAからタンパク質への翻訳を担うメッセンジャーRNA(mRNA)をナノミセルという小さなカプセルに入れて組織に導入すると、安定した治療効果が期待できることを、東京大学医学系研究科の大学院生だった馬場美雪(ばば みゆき)さんと位髙啓史(いたか けいじ)特任准教授、片岡一則(かたおか かずのり)教授らがマウスの実験で初めて示した。mRNAによる遺伝子治療に道を開く成果として注目される。3月10日付の国際科学誌Journal of Controlled Releaseに発表した。 神経まひやアルツハイマー病などの神経障害は、神経が再生しないため、根本的治療が難しい。遺伝子治療は、障害された神経細胞を根本から治す戦略と考えられているが、天然のウイルスを用いて遺伝子を入れたり、天然の遺伝子を投与したりす
![mRNA投与の治療にナノミセルで道開く | Science Portal - 科学技術の最新情報サイト「サイエンスポータル」](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/cf13fa25df8d89a9be8152bb8cb42e3790e29743/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fscienceportal.jst.go.jp%2Fwp-content%2Fuploads%2F150310_img1_w500.jpg)