◇「政府や専門家の情報、一般ニーズと合わず」--心理学者指摘 東日本大震災以来、大規模な地震が頻発するようになった日本列島。原発事故による放射能禍、首都直下地震の可能性など不安のタネはつきない。いざという時、適切に対応するために必要なのが「リスクコミュニケーション」と言われる。いったいどう利用すればいいのか。専門家に聞いた。【井田純】 そもそも「リスクコミュニケーション」とは何か。簡単にまとめると「日常生活に潜むさまざまなリスクに関する情報を、政府、企業、専門家、市民などの関係者間で共有することで相互理解を図り、信頼関係を構築する」ということ。日常的に行われるものや、災害などの発生直後に行われるものがあり、厳密には後者は「クライシス(危機)コミュニケーション」と呼ぶ。 「今世の中に広がっている、原子力災害の『わからなさ』からくる不安は、リスクコミュニケーションの不在からきています。政府や専