【ソウル=豊浦潤一】韓国警察は29日、北朝鮮の対外工作機関「偵察総局」傘下の工作員(29)と中国で接触し、サイバー攻撃用ウイルスを組み込んだネット用ゲームソフトを韓国に持ち込んだとして、韓国人の無職の男(38)を国家保安法違反(反国家団体構成員との会合・通信、便宜提供、金品収受)容疑で逮捕した。 仁川地方警察庁によると男は、貿易会社社員になりすました工作員に約5000ドル(約49万円)を渡してウイルス入りゲームソフトを受け取った疑い。工作員に自分の身分証、旅券、銀行通帳の情報を渡した疑いも持たれている。 同庁の調べでは、ソフトはトランプの賭博ゲームで、北朝鮮で製作されたハッキングウイルスが仕込まれていた。男は韓国内で業者などに転売し、利益を得る目的だったとみられる。工作員は、韓国内でゲームを流通させた上で男になりすましてウイルスに感染したパソコンを遠隔操作し、サイバー攻撃を仕掛けようとして