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ブックマーク / www.nikkei-science.com (7)

  • 周期律のほころび

    お手持ちの周期表が最新版なら,1番の水素から118番のウンウンオクチウム(仮名)まで,7つの行すべてが埋まっているはずだ。加速器を用いた実験によって,超重元素と呼ばれる原子番号の大きな元素の合成・確認が進んだおかげだ。日の理化学研究所も113番元素の合成に成功するなど気を吐いている。ところで,元素の性質が原子番号とともに繰り返すという「周期律」が,重い元素では必ずしも成立しなくなっているのをご存じだろうか? 周期表の同じ列にある元素,つまり同じ族の元素なのに,性質が似ていないものがあるのだ。もともとの周期律を生み出している背景,そしてそれが崩れてくる理由を解説する。 著者Eric Scerri カリフォルニア大学ロサンゼルス校の講師で,化学の歴史と哲学を教えている。英ロンドン大学キングス・カレッジでPh. D. を取得。ブルースギターの腕前は玄人はだし。最新刊は「A Tale of Se

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    you21979 2016/01/24
  • インフルエンザの不思議 抗原原罪

    多くの感染症は一度かかると終生にわたる免疫ができ,再び罹患することはない。だがインフルエンザは別だ。ウイルスが年々少しずつ変異し,免疫系の防御から逃れる。そして奇妙なことに,インフルエンザウイルスに対する免疫は年少の子供でピークに達した後に中年の人では低下し,高齢者になると再び上昇する傾向がある。免疫系が最初に出会ったウイルスの印象を引きずり,後に微妙に変異したウイルスに対しても同じように反応する結果,最適な防御ができなくなっているらしい。「抗原原罪」と呼ばれる現象だ。数理モデルを用いた近年の研究によって,この仮説を裏づける証拠が得られている。 【関連動画】 再録:別冊日経サイエンス238「感染症 ウイルス・細菌との闘い」 再録:別冊日経サイエンス234「最新免疫学 がん治療から神経免疫学まで」 著者Adam J. Kucharski ロンドン大学熱帯医学衛生学大学院・感染症疫学講座のリサ

    インフルエンザの不思議 抗原原罪
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    you21979 2016/01/24
    “「抗原原罪」”
  • ウソから出た大発見

    昨年,素粒子ニュートリノが超光速で飛ぶという実験結果が発表されて大ニュースとなったが,誤りと判明した。実は約30年前にも似たような騒動があった。量子論の基的性質を使って設計された「超光速通信機」なる装置の論文が学術誌に投稿されたのだ。「相対性理論に反するから絶対誤りがあるはず」と査読した専門家らは考えたが,見つけられなかった。査読者の1人は「この論文の間違いは中身の濃いものに違いなく,物理学に新たな進展をもたらすだろう」と主張した。実際,この論文がきっかけで誰も認識していなかった量子力学の新たな側面が見いだされた。こうした価値の高い発見をもたらすような“優れた間違い”の事例を紹介する。 著者David Kaiser / Angela N. H. Creager カイザーはマサチューセッツ工科大学の科学史の教授で,物理学科の上級講師。ハーバード大学で物理学と科学史のPh. D. を得た。

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    you21979 2016/01/24
  • もつれたダイヤ〜日経サイエンス2012年4月号より

    2個が1個のように振動する 素敵なイヤリングのセットなど,ダイヤモンドはペアで使われることが多いが,物理学者たちは最近の実験で,15cm離れた2個のダイヤモンドを「量子もつれ状態」にすることに成功した。量子もつれは,2つ以上の物体に間の空間を橋渡しする目に見えないリンクが生じる現象だ。例えば仮に2個のサイコロが量子もつれになったら,それぞれを別の場所で同時にころがすと,常に同じ目が出る。だが量子もつれは崩れやすいので,物理的系で実験するには高度に制御された環境が必要だ。例えば原子のペアを周囲から隔離し,絶対零度近くに冷やしたうえで量子もつれにする。 今回,英オックスフォード大学とカナダ国家研究会議,シンガポール国立大学のチームは,より一般的な物体を使い,室温で量子もつれを実現できることを示した。差し渡し3mmの四角い人工ダイヤモンドを2つ使った。レーザービームを2つに分割し,それぞれのダイ

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    you21979 2016/01/24
  • 覆る活性酸素悪玉説

    「活性酸素は老化の原因」「抗酸化サプリでアンチエイジング」──こんなうたい文句を聞いたことのある人は多いだろう。フリーラジカルなどの活性酸素によって細胞が傷害を受け,その蓄積のために老化するという説は,1950年代に登場し,老化メカニズムの“定説”になった。だが最近の研究によると,それほど単純な話ではないようだ。マウスに抗酸化物質をべさせると寿命が延びるとした初期の実験は再現できず,遺伝子操作でフリーラジカルを多く作らせた線虫はむしろ長生きした。抗酸化剤を飲んでいる人が長生きするとの証拠も見つかっていない。どうやらフリーラジカルは単なる「悪玉」ではなく,細胞修復を促す役目もあるようだ。 再録:別冊日経サイエンス204「先端医療の挑戦 再生医療,感染症,がん,創薬研究」 「覆る活性酸素悪玉説」を深読みできる関連記事はこちら 著者Melinda Wenner Moyer ニューヨーク州ブルッ

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    you21979 2013/07/24
    `hu-mu
  • イオンで作る量子コンピューター

    超弩級の能力を持つと期待される量子コンピューター。原子や光子,人工の微細構造にデータを保存して処理する設計が考えられている。最も進んでいるのが捕捉イオンを操る研究だ。イオンにデータを蓄え,他のイオンに転送できるようになっている。開発を阻む原理的な障害はない。 私たちが行っている捕捉イオン実験では,電気的に浮揚させた個々のイオンが小さな棒磁石のように振る舞う。各々の棒磁石の方向(上向きと下向き)が量子ビットの1と0に対応する。レーザー冷却(原子に光子を散乱させることで原子の運動エネルギーを奪う方法)によって,捕捉トラップ内のイオンをほぼ静止させる。 これらのイオンは真空容器中にあるので周囲の環境からは分離されているが,イオンどうしの電気的反発による強い相互作用を利用して「量子もつれ」を作り出すことができる。量子もつれは個々の量子ビットの観測結果が相関し合う現象で,粒子の間を結ぶ“見えない配線

    イオンで作る量子コンピューター
    you21979
    you21979 2012/10/10
  • 量子テレポーテーション

    光の粒子(光子)がもっている情報を遠く離れた場所に瞬時に伝送できることが,実験で裏付けられた。この方法は「量子テレポーテーション」と呼ばれ,SF小説でおなじみの“瞬間移動”も単純な原子や分子なら夢ではない。この原理を超高速通信や量子コンピューターに応用する展望も開けてきた。 アインシュタインの相対性理論では,光の速度より速く情報を伝送することはできない。また「不確定性原理」と呼ぶ量子力学の法則により,粒子の状態を完全にコピーすることもできない。しかし,量子テレポーテーションは相対性理論や不確定性原理に反することなく,光子の状態に関する情報を瞬時に遠くまで伝送できる。 著者らのチームは,量子力学の基的な性質の1つである「量子もつれ」と呼ぶ現象を巧みに使って,光子の情報を瞬時に伝送する実験に成功した。2個の光子が量子もつれになっていると,偏光(電磁波の振動の向き)が常に一致する。この光子対の

    量子テレポーテーション
    you21979
    you21979 2012/07/30
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