「真田か……確かに、ありゃあ厄介(やっかい)じゃ」という台詞が大河ドラマ『どうする家康』(NHK総合)の第30回にあった。その時全国の大河ウォッチャーは一斉に『真田丸』(16年 脚本:三谷幸喜)のパッパこと真田昌幸(草刈正雄)のことを思い出したであろう。 絶大に支持された草刈正雄の真田昌幸7年前、三谷幸喜が描いた真田昌幸は、すぐ手のひらを返すちゃっかりしたキャラクターで、草刈正雄のチャーミングさと相まって憎めず、むしろ愛らしく、絶大に支持された。これで真田といえば真田幸村(信繁)というこれまでの認識が、真田といえば、幸村(信繁)の父・昌幸と印象づけられた。歴史が塗り替えられた瞬間といっても過言ではない(大げさ)。 だからこそ「真田か……確かに、ありゃあ厄介じゃ」という台詞(発したのは鳥居彦右衛門〈音尾琢真〉)を聞くと、これまでまったく『どうする家康』に出て来ていない真田とはいえ、登場人物と