「1300万円払い腎・肝移植」…札幌の男性証言 中国で手術、「国内待てない」 臓器移植をめぐり、国内での臓器提供者(ドナー)の不足から、海外で移植を受ける患者が増えている。近年はその多くが中国に渡っており、年間100人を超えるという。 中国で腎肝同時移植を受けた札幌市の男性(63)が読売新聞の取材に応じ、「渡航移植」の実態を証言した。 男性は20代半ばに腎炎を発症。1989年、母親から腎臓の生体移植を受けたが、3年前に再び悪化した。肝機能も低下し、主治医から「肝臓は移植しないと助からない」と告げられた。 「移植ネットワークに登録しても、いつ順番が回ってくるかわからない」。そう聞いた男性は、中国・天津の病院で移植手術を受けるため、総額1300万円の費用を振り込み、昨年12月、現地に飛んだ。 手術後、原因不明の高熱が続いたが、医師は「問題ない」と繰り返すばかり。薬を求めると「近くの薬局で買え
全国から送られた大量の書籍が、町の集会施設の床いっぱいに広がる(9月24日、矢祭町の山村開発センターで)。特産の杉で作った札に寄贈者の名前が書き入れられ、図書館に掲示される予定だ 本は買いたし、先立つものはなし――。財政難の福島県矢祭(やまつり)町が費用をかけずに町民の図書館を作ろうと、不用になった本の寄贈をネットで呼びかけたところ、2か月余りで20万冊が集まった。目標の3万冊をはるかに超える驚きの数字。善意の輪が「本の町」を生もうとしている。 同町は自立できる町づくりを目指し、「市町村合併しない宣言」で知られている。だが現実は厳しく、町民アンケートで要望の多かった図書館建設の実現に手を着けたものの、乏しい財源では、古い武道場に書架を設けて改装するのがやっとだった。 大量の本の購入はとても無理。そこで町のホームページを通じて7月中旬、寄贈の呼びかけを開始した。 反応は上々で、すぐに全国から
愛媛県の宇和島徳洲会病院で行われた腎移植を巡る臓器売買事件で、臓器提供者(ドナー)の本人確認が徹底されていない現状が明らかになった。臓器移植法は売買を禁じているが、生体間の移植そのものは法的規制の対象になっていない。 日本では脳死や心停止後の臓器提供が不足し、腎臓や肝臓では生体からの移植が主流だけに、親族、非親族にかかわらず、法規制を含めたルールの確立が急務だ。(大阪科学部 秦重信、科学部 冨浪俊一) 脳死移植や心停止後の臓器移植は、臓器移植法で脳死判定の基準や実施の手順が定められている。臓器の斡旋(あっせん)事業には国の許可が必要で、現在は日本臓器移植ネットワークだけが認められている。提供臓器は、親族優先ではなく、居住地域や医学的適合性、待機期間などに基づき、公平に配分することになっている。 金銭授受が起きないよう、提供者と移植を受けた患者の個人情報は、相互に伝えないという原則もある。
治験拠点の40病院選定へ 新薬開発、競争力アップ…厚労省方針 厚生労働省は来年度、新薬の臨床試験(治験)を行う能力が高い全国40か所の医療機関を「治験拠点病院」に選定し、重点的に支援する方針を決めた。 新薬の開発競争が欧米を中心に激しさを増すなか、「治験の空洞化」が指摘されている国内の体制を整え、国際競争力を高める狙いだ。 同省は拠点病院の緊急整備費として来年度予算で1医療機関あたり2500万円、計10億円を概算要求。来年度初めに、大学病院を中心に40か所を選定する。拠点病院では、治験に詳しい医師や、患者と医師の橋渡し役となる「治験コーディネーター」、治験情報を管理する「データマネジャー」など、治験を効率的に進めるスタッフを充実させる。また、治験データを電子化するなどして、質の高い治験を実施する体制を確保し、時間短縮も図る。 米国では、同様の拠点病院が80か所あり、治験の質を確保している
鳥インフルエンザ、10代で致死率73%…WHO分析 高病原性の鳥インフルエンザウイルスH5N1に人が感染した場合、致死率は56%に達し、特に10〜19歳では73%と高率になるとの分析結果を世界保健機関(WHO)が発表した。乳幼児や高齢者の死亡が多い通常のインフルエンザとの違いが明確になった。 WHOは、2003年12月〜06年4月末に、H5N1に感染したと確定診断された9か国203人の患者を対象に致死率を調べた。その結果、10〜19歳は49人中36人が死亡し、致死率は73%と最も高かった。次に高いのは20〜29歳で62%。逆に最も低いのは50歳以上で18%だった。9歳以下は40%程度で中程度だった。 若者の致死率が高い理由について、一部の研究者は、若い世代ほど未知のウイルスに対する免疫反応が過剰に働き、自分の体を攻撃してしまうためと推測している。 患者は一年を通して発生しており、その90
濃いめに味付け、単品で調理…「食べやすさ」で克服 吐き気を催したり、味覚が変化したりといった抗がん剤の副作用は、食欲の低下を招くことが少なくない。食材選びや調理を工夫して治療を続ける体力を維持したい。(中島久美子) 中枢神経を刺激 抗がん剤は、吐き気や嘔吐(おうと)にかかわる脳の中枢神経を刺激したり、味を感じるために欠かせない栄養素・亜鉛の体内への吸収を抑えたりする。 このため、抗がん剤治療中は、〈1〉吐き気がする〈2〉味覚が鈍くなったり、いつもと違う変な味がしたりと異常になる〈3〉においが気になる――といった様々な副作用が現れ、食欲の減退を引き起こす。 普段の食事では、1日3食、栄養のバランスを考えて様々な食材をとることが基本だが、県立静岡がんセンター(静岡県長泉町)栄養室長の稲野利美さんは、「抗がん剤治療の副作用が出るのは限られた期間です。その時は、時間や、食べる量、栄養バランスにこだ
監督が三振指示、雨天ノーゲーム避け…秋田大会準決勝 22日に行われた夏の高校野球秋田県大会の準決勝・本荘―秋田戦で、雨天ノーゲームを避けるため、本荘の打者が、監督の指示を受けて故意に空振りしていたとして、県高野連は試合終了後、同校野球部に対し、フェアプレーするよう指導し、始末書の提出を求めた。 同校は、相手の遅延行為に対抗するためだったと説明している。 県高野連によると、本荘は12対1となった七回表一死二塁で、監督が打者に三振するよう指示。 打者は明らかなボール球を振って三振したため、県高野連は同部責任者に対し、故意の空振り行為をやめるよう指導したが、次打者の場面で、三塁走者が本盗を狙ってタッチアウト。試合はその裏の秋田の攻撃終了後、本荘がコールド勝ちした。雨の場合、七回裏が終わらないと試合が成立しない。 本荘の尾留川徹監督は「相手チームが試合を遅延させ、ノーゲームにしようという意図が見
『涼宮(すずみや)ハルヒの憂鬱』(角川スニーカー文庫)が売れに売れている。シリーズ8冊で累計280万部、アニメ放映された4月以降だけで150万部増と、活字離れと言われる若者層に爆発的人気だ。デビュー3年でライトノベル界の寵児(ちょうじ)となった谷川流(ながる)さん(35)に聞いた。(石田汗太) 〈ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上〉 高校入学の初日にクラスで宣言した涼宮ハルヒ。唯我独尊を絵に描いたような彼女の元には、本当に怪しげな面々が集まってくるのだが、知らぬは彼女ばかり。世界の「命運」は、実はこのワガママ娘が握っているらしい……。 軽妙な語り口、漫画的キャラクター、まったりした日常、派手な大風呂敷。『涼宮ハルヒ』シリーズを一言で言えば、「由緒正しき学園ドタバタSF」だ。ハッとする新しさはないが、懐かしく心地よ
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