先日、白血病の娘を持つ乳がんの母が無理心中を図るという、痛ましい事件が起きました。母娘の治療費負担に苦しみ、将来を悲観した末の惨劇。娘が服用していた薬は「グリベック」でした。 皆さんは、「白血病」と聞いて、どのようなイメージをお持ちでしょうか。「長くは生きられない」「不治の病」――? 確かに白血病は血液のがんで、完治には化学療法や骨髄移植など大変厳しい治療が必要で、道のりは非常に困難です。ただし「慢性骨髄性白血病」に関しては、特効薬が8年前に国内解禁となりました。それがグリベック。生き続ける道が、あるにはあるのです。 「あるにはある」としたのには理由があります。 この薬の効果は抜群です。一昨年の米国血液学会発表では、グリベックを飲み続けている患者の7年生存率は86%でした。対して、それまで標準治療だったインターフェロンαの7年生存率は36%。違いは一目瞭然です。副作用も軽く、多くの患者は普