ノルウェー観光の目玉と言えば、オーロラと氷河の浸食作用で作られた入江(フィヨルド)だろう。同国の海岸線には高い山に囲まれたフィヨルドが多く、水深もあるため橋の建設が難しく、フェリーによる往来が多く行われている。 ノルウェーのフェリーの大半は、フィヨルドを横切るだけの短距離の運航で、電動化に適している。船舶の電動化には、重量のある蓄電池を航続距離に合わせて大量に搭載する必要があり、充電時間も長くなることから、航続距離の長い航路に電動化は適していない。しかし、短距離であれば可能だ。 温暖化対策に熱心なノルウェー政府は2011年、フィヨルドに面した2つの村(距離5.7キロメートル)の間で電動フェリーを運航する企業を入札で募った。その結果、最初の電動フェリーが15年に導入された。フェリーは長さ80メートル、幅21メートルで、乗客360人、車120台を積載できる。重さ10トンの蓄電池(1000キロワ
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