ミャンマーを中心に、東南アジアで人道支援活動を続けるジャパンハート・吉岡秀人医師。20年間、計1万人以上の子どもたちを救い続けてきた同氏ですが、かつて「難病の子ども」に対する医療方針について究極の選択を迫られることがありました。重病を患う子どもに対し、親や医師はどのように立ち向かうべきなのでしょうか?(IVS 2014 Springより) 親だけは見捨てなかった難病の少年 吉岡:この子はなにかというと、実は首の腫瘍なんですけど、現地の病院で既に2回治療を受けているんですね。手術を受けたけれど、再発した。それで、僕のところへ治療をしてくれと来たんです。さっきの手術室にですよ。皆さんにお教えしたとおり、麻酔もないんです。医者も僕しかいないし。 こんな首のでっかい腫瘍なんて、僕1人でやったら手術中に死ぬに決まっているということで、僕は家族に話したんですよ。申し訳ないけど、麻酔医が来たらやりましょ
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