2025年秋ごろ。東京都内の不動産会社社長、山田仁(仮名)は、30代後半とみられる男性客と会っていた。 カンボジア国籍を持つ中国人の富豪というこの男が目を付けたのは、杉並区善福寺の豪邸。金額は土地だけで8億円超とされる。 「家族で住む」 そう説明され、すぐに契約。ローンを組まず、全額を支払った。そのわずか1か月後、山田が知らないうちに物件は別の中国人に転売されている。説明は虚偽だったのだ。 男はカンボジアの中国系巨大複合企業「プリンス・ホールディング・グループ」のメンバー。グループはオンライン詐欺や人身売買の容疑で「アジア最大級の犯罪組織」とアメリカやイギリス政府から名指しされている。 取材班は以前から、こんな噂を聞いていた。 「プリンスグループが日本で高級不動産を買いあさっている。彼らにとっては日本が『安全』だからだ」 取材を続けると、彼らが想像以上に日本社会に食い込んでいることが判明し

