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  • 片渕須直・この世界の片隅に | ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

    片渕須直・この世界の片隅に ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ 片渕須直・この世界の片隅にのページです。 片渕須直監督『この世界の片隅に』は、ことし最高のアニメ映画だ。のんの声優起用、その奇蹟的な成功により、作品の「口調」がふんわりふわふわしている。それと同様の「ふわふわ」はコトリンゴの音楽(声がのんに似ている)、パステル調ともいえる淡い色彩設計、ある悲劇的な瞬間にその質を露呈する輪郭線の、「定まらなさ」をふくみこんだうごき、ときに二拍子にまで短縮されるフリ-オチ形での挿話の連鎖などにもみとめられる。そうした「ふわふわ」から戦争による残酷=「欠損と死と喪失」が予想外に舞い込んでくる。「まいこみ」に「ふわふわ」があり、現実の表情とはそんなものなのだろうとおもう。もちろんそれに息を呑む。これほど残酷の実相をえがきえた作品など、ほぼ存在しないだろう。 実写なら、黒木華を主役して、亡くなった

  • 楊徳昌が死んだ | ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

    日未明、眼を覚ます。PCを開き、mixi画面へ。 するとマイミクさんの日記の幾つかで、 《エドワード・ヤン(楊徳昌)死去》の見出しが相次いでいた。 衝撃を受ける。哀しみ、というのではない。 砂を噛むような空しさに一瞬にして襲われ、 「才能」にまつわる「世界」の処置、 それにたいしては深甚な厭世観にさえ包まれた。 ● 僕の人生は「映画なんかどうでもいい」という疲弊に 定期的に彩られ、突然「映画真空地帯」に舞い戻ることが多い。 キネ旬で働き始めた90年代初頭なども 実はそんな映画倦怠期だった(最近もそうだ)。 何もかもが、自分の「リアル」感覚にしっくりこない。 とくに邦画新作で面白いとおもうものに当時行き会わなかった。 よく憶えているがそんな自分の逼塞感に風穴を開けたのが、 楊徳昌、それに北野武だったとおもう。 「アジアンリアル」に最も似合うのが「恐怖」だということ、 俳優の表情は不機嫌

  • エドワード・ヤン、恐怖分子 | ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

    エドワード・ヤン、恐怖分子 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ エドワード・ヤン、恐怖分子のページです。 【エドワード・ヤン『恐怖分子』】 エドワード・ヤンの『恐怖分子』がデジタル・リマスター版として今度の土曜(3月14日)から、渋谷シアターイメージフォーラムにて公開される。86年製作のこの台湾映画が最大の引き金になって、ぼくは勃興しつつあったアジアン・ハードボイルドの虜になった。この映画のノワール感覚も、オーソン・ウェルズ『黒い罠』で純粋ジャンルとしてのフィルム・ノワールが終焉したあとの「あたらしいノワール」中、最大価値をしるしている。これほどうつくしい緊迫感にみちた作品はざらにない。未見であるとすれば、おそろしい損失だ。 しかもこの映画を観ると、東京国際映画祭に『クーリンチェ少年殺人事件』をひっさげて来日した往年のヤンの、少年的で人懐っこい風貌までおもいだしてしまう(ぼくは彼のイン

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