ブックマーク / www.ide.go.jp (4)

  • 中国・新疆ウイグル自治区のカザフ人――不法入国とカザフスタン政府のジレンマ(岡 奈津子) - アジア経済研究所

    判決後、喜びに思わず両手で顔を覆うポニーテールの中年女性。狭い法廷に拍手と歓喜の声が響き渡る。ガラス張りの被告人席から出るように促された彼女は、集まった家族や支援者らと抱擁を交わした。さらに外に出て裁判所の前に立つと、ナザルバエフ大統領と同胞たちへの感謝の言葉を述べ、「カザフスタン万歳!」と叫びながら力強くこぶしを突き上げた1。 この女性の名はサイラグル・サウトバイ。中国・新疆ウイグル自治区出身のカザフ人で、2018年4月、偽造パスポートを使ってカザフスタンに不法入国した罪に問われていた。対中国境に近い南東部の町ジャルケントの裁判所は同年8月、彼女に執行猶予付き懲役6カ月の刑を言い渡した。焦点となった中国への強制送還については、入国目的が家族との再会であったこと、また夫と子ども二人がカザフスタン国籍を有することを考慮し、行わないとされた。 サウトバイの裁判は、カザフスタン国内のみならず国際

    中国・新疆ウイグル自治区のカザフ人――不法入国とカザフスタン政府のジレンマ(岡 奈津子) - アジア経済研究所
  • 92歳のマハティール氏がなぜ次期首相候補なのか(前編) (中村 正志) - アジア経済研究所

    マレーシアの連邦議会が4月7日に解散した。立候補届出は4月28日、投開票は5月9日に行われることに決まった。 マレーシアでは、1957年の独立以来13回の総選挙が行われたが、政権交代は一度もおきていない。統一マレー人国民組織(UMNO)などからなる政党連合の国民戦線(1972年までの名称は連盟党)が、与党連合として君臨してきた。UMNOの党首が歴代首相を務めており、日でもよく知られるマハティール・モハマド元首相(1981年~2003年在任)は第4代首相にあたる。 そのマハティール氏が次の選挙で野党連合を率いることになり、世界的に注目されている。マハティール氏は1925年生まれで、現在92歳である。公式の誕生日は12月20日だが、実際に生まれたのは7月10日であり、あと3カ月で満93歳になる。同年生まれの政治家に、イギリスのマーガレット・サッチャー元首相、韓国の金大中元大統領、日の野中広

    92歳のマハティール氏がなぜ次期首相候補なのか(前編) (中村 正志) - アジア経済研究所
  • コートジボワールは安定したのか——ワタラ政権下の軍事的状況の総括と展望—— - アジア経済研究所

    ■ 論考: コートジボワールは安定したのか——ワタラ政権下の軍事的状況の総括と展望—— ■ 佐藤 章 ■ 『アフリカレポート』2015年 No.53、pp.44-56 (画像をクリックするとPDFをダウンロードします) 要 約 稿は1990年代以降続いてきたコートジボワールの不安定な状態が、2011年5月に正式発足したワタラ政権のもとで解消されたかどうかを検討する。着眼点はワタラ政権期の武装勢力の動向と、ワタラ政権の軍事的基盤をなすコートジボワール共和国軍(FRCI)とワタラの関係である。武装勢力の動向については、ワタラ政権の正式発足の時点で内戦期の軍事的対立の構図が基的には解消され、その後もFRCI優位の軍事状況が継続していることがわかる。ワタラとFRCIの関係については、FRCI幹部の重要ポストへの登用が続いており、堅固な同盟関係が維持されていることが確認できる。しかし同時に、事態

  • アフリカ情勢 新国家南スーダンの命運を握る米中の連携(2011年7月) - ジェトロ・アジア経済研究所

    アフリカにまたひとつ国ができた。南スーダン共和国。イスラム化を進めてきたハルツームのスーダン政府に弾圧され、ながいあいだ内戦を戦いぬいた末の独立である。 スーダンにある油田の多くは南スーダンに位置する。油田をめぐる権益争いが、とくに米中のあいだでこれからくりひろげられるだろうとする観測もある。これまで投資が許されなかった南スーダンで石油開発の動きが活発化し企業競争がおこるのは当然予想されるが、だからといって米中が南スーダンをめぐって対立しているとみるのは、おそらく正しくない。もしそうなら、ハルツーム政府にもっとも影響力をもつ中国が南スーダンの独立を阻止すればよかったのである。ゼロから新しい国をつくるよりも、そのほうがはるかに容易だった。 スーダンはアフリカでは珍しく古代に遡る国家史をもつ。紀元前にはエジプトを支配していたこともあり、ピラミッド遺跡も存在する。エジプト同様ここも「ナイルの賜物

  • 1