東京電力福島第1原発の汚染水を浄化する過程で出た放射性物質を含む汚泥(スラリー)の保管場所が満杯に近づいている。汚染水の処理が滞り、廃炉作業に影響が及ぶような事態は避けなければならない。東電は汚泥の減量化など実効性のある対策を講じる必要がある。 汚泥は、1~3号機の溶融核燃料(デブリ)への注水などで生じた汚染水を多核種除去設備(ALPS)で浄化した際に発生する。ストロンチウムなどの放射性物質を含むため、ポリエチレン製の高性能容器(HIC)に入れた上で、コンクリートの箱の中に保管される。 容器は約3立方メートルあり、2日に1基のペースで増えている。保管容量4384基に対して15日現在、95・6%の4195基が埋まり、来年7月ごろには置き場がなくなる見通しという。東電は192基分の増設を計画しているが、1年ほどで再び満杯になる。用地の確保にも限りがあり、保管している汚泥の減量や処分など抜本的な
新型コロナで父母を失った陽一さん。家族写真を手に「あれから時が止まったようなんだ」と語った 新型コロナウイルスによって国内で亡くなった人は千人を数える。多くの場合、最期をみとることもできないまま最愛の人を奪われた。都内の五十代男性は父母を相次いで亡くし、自身と妻も感染した。全国で再び感染が広がる中、「誰もが突然、遺族や感染者になり得る」と警鐘を鳴らしている。(東京支社編集主任・斎藤直幸) 広告代理店社長の石山陽一さん(55)は四月九日に父の良雄さん(83)、同二十二日に母の信子さん(82)を新型コロナで失った。 「まさに地獄絵だった。あれから三カ月。時が止まったようなんだ」 良雄さんが体調を崩したのは四月一日。高級クラブが軒を連ねる東京・銀座で飲んだ数日後だった。高熱が続き、陽一さん夫妻と同居していた自宅のトイレで立ち上がれなくなった。三日、四日と救急車を呼んだが感染の可能性が高いとして、
平成23年3月11日午後2時35分ごろ、全学年とも5校時だった。豊間方面は徒歩とバス通学、薄磯・沼ノ内方面は徒歩の3グループに分かれ、一斉下校していた。 午後2時46分、東日本大震災発生。裏山の杉の木が震動し、大量の花粉が舞い上がり火災時に立ち上る煙のようだった。長く激しい揺れの収束を待ち、校門前のバス停に向かおうとしていた児童約30人を校庭に避難させた。その後、校舎と体育館の破損箇所を点検した。 徒歩で下校した子どもたちを呼び戻すために、豊間方面には教頭を、薄磯方面には男性の学年主任を急行させた。この間、防災無線の放送はおろかサイレンの音一つ聞こえなかった。 午後3時10分に津波第1波、同3時28分、津波第2波が襲来した。近くに住み海岸の様子を見ていた人によると、不気味に黒みがかった磯全体が、がらりと姿をあらわにするほどの引き潮であったらしい。第2波により豊間中の校舎1階と体育館は大破し
楢葉町でプロパンガスの供給を続ける猪狩。事業を再開した企業に対する支援に乏しいと感じている 「事務所で経営状況を聞かせてほしい」。東京電力福島第一原発事故に伴う避難区域が設定された12市町村の事業者を支援する福島相双復興官民合同チームから今年に入り、楢葉町のガス会社「ナラハプロパン」社長の猪狩昌一(42)のもとに連絡があった。 日程調整が付かず来訪は断ったが後日、被災事業者向けの支援策をまとめた資料が送られてきた。一読して机にしまった。「いろいろな補助金を用意したと書いてあったが、うちの会社に該当するのは1つもなかった」 国、県、民間で組織する官民合同チームは、事業者が単独で事業を再開する場合の施設整備補助金を新たに設けた。これまでの国のグループ補助金制度は複数の企業で共同事業を展開するのが交付要件で、使い勝手の悪さが指摘されてきたためだ。ただ、ナラハプロパンにとっては帰還する住民が増えな
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