<概要> ラジウムを含んだ夜光塗料を時計の文字盤に塗る作業をしていた女性従業員に顎の骨の骨髄炎が起きたり、白血病や骨肉腫が多発した。筆先を舐めて穂先を尖らせて夜光塗料を塗布していたため、ラジウムを体内に取り込むことになった。ラジウムは骨に集まり易いため、ラジウムからでる放射線により骨に障害が生じたのである。内部被ばくによる障害例としては、トロトラスト、すなわちトリウムからの放射線による肝がんなどの晩発障害と並ぶ代表的な事例である。 <更新年月> 2001年03月 (本データは原則として更新対象外とします。) <本文> 時計をはじめ計器の文字盤、夜間の指示標識などに用いられている夜光塗料は現在、化学蓄光顔料が主流になりつつあるが、以前は蛍光塗料に放射性物質を加えたものが利用されていた。蛍光塗料は外部からの光の刺激で発光する。これに放射性物質から放出される放射線の刺激で持続的に発光するよう