新字の「餅」と旧字の「餠」の関係は複雑です。へんの部分を新字旧字のどちらにするか、つくりの部分を新字旧字のどちらにするかで、合計4種類の組み合わせが考えられます。つまり、へんもつくりも新字の「餅」、へんが旧字でつくりが新字(いわば旧新字)の「餅」、へんが新字でつくりが旧字(いわば新旧字)の「餠」、へんもつくりも旧字の「餠」、の4種類がありえるのです。 これら4種類のうち、子供の名づけに使えるのは、へんが旧字でつくりが新字(いわば旧新字)の「餅」だけ。他の3種類は子供の名づけに使えません。新字の「餅」でも旧字の「餠」でもなく、いわば旧新字の「餅」だけが、出生届に書いてOKなのです。どうしてそんなことになってしまったのでしょう。 平成12年12月8日、国語審議会は表外漢字字体表を答申しました。表外漢字字体表は、常用漢字(および当時の人名用漢字)以外の漢字に対して、印刷に用いる字体のよりどころを