ブックマーク / geopoli.exblog.jp (16)

  • リベラリズムの終わり? | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は、久々に曇って夕方には冷たい雨になりました。 さて、今回も以前紹介した記事の要約です。ちょっと長いのですが、その内容はかなり考えさせてくれるものです。 なぜアメリカではトランプが選出され、欧州では反EUの機運がここまで高まってきているのか、その原因をリベラル派の無理な考え方にあると分析した記事です。 === リベラリズムの終わり? by ダミール・マルージック 2017年11月1日 「べつに私はトランプ支持者というわけではないんですよ。ただ、あなたが擁護しようとしている土台そのものすべてを、あなた自身がぶち壊しにしているんですよ」 このようなこじれた感情のおかげで、私は過去10ヶ月間において私よりもはるかに執拗にトランプ大統領に反対している人々と、無数の議論を行うはめになった。 私はワシントンDCに住んでいる。この地域に住む人々は、先の大統領選で90.9%という圧倒的な割合

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  • アメリカはシーパワー国家である:ロバート・カプラン | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部はまたしても朝から快晴です。寒さもだいぶピークになってきました。 さて、ロバート・カプランがまた地政学系の新刊を出版したようですが、それに関連したような記事を連発しております。 ドラマの番宣のためにバラエティーに出まくっている主演俳優みたいな位置づけでしょうか?いや違うか。 === アメリカは海洋国家だ By ロバート・カプラン アメリカは2つの海洋に挟まれた海洋国家である。海軍が世界最大であるだけでなく、その沿岸警備隊も世界で12番目の規模を誇る海軍であると言える。 米海軍はアメリカの第一級の戦略ツールであり、おそらく使われることのない核兵力よりも、ツールとしての有用性ははるかに高い。 米海軍は平時・戦時にかかわらず世界の公海におり、海上交通路や主な海洋のチョークポイントを守っている。これによって実質的に世界の自由貿易体制を守っており、アメリカの同盟国たちに原油などのアクセ

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  • トルコのクーデターはなぜ失敗したのか | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部はどんよりとした曇り空です。まだ梅雨は明けないのでしょうか。 さて、今回のトルコでのクーデター未遂事件に関して、デビュー作で『クーデター入門』を書いているブログでも同じみのルトワックが、さっそくフォーリン・ポリシー誌に興味深い記事を掲載しておりましたので、その要訳を。 === トルコのクーデターはなぜ失敗したのか by エドワード・ルトワック 「軍事クーデター成功のためのルール」の第2条は、実行に参加しない機動部隊(これには当然だが戦闘機の飛行大隊なども含む)は、動員不可能の状態にしておくか、介入してくるには遠すぎる場所に置いておくべきである、というものだ(サウジアラビアの陸軍の部隊が首都から遥か離れた場所に配置されているのは、まさにそのような理由からだ)。 ところが今回のトルコのクーデター計画者たちは、実行に参加しない(戦車、ヘリ、そして戦闘機)部隊を活動不能にしておくこ

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  • 歴史学者たちの傲慢さに気をつけよう | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は当に真夏でした。ピークですね、これは。 さて、だいぶ以前からぼんやりと考えていたことを書いておきたいと思います。 すでに告知させていただいたように、私は現在、次に出るの訳出作業の最終追い込み段階に入っているのですが、ここ数日間とりくんでいるテーマが、なんと核兵器に関するもの。 「なんか物騒なテーマですねぇ」とお感じになる方もいらっしゃると思いますが、原著者はなんといってもレーガン政権で核戦略をアドバイスしていた人物ですから、この分野が専門領域であり、色々と言いたいことがあったようで色々と書いており、こちらも勉強になってます。 ただしこれを訳していて私が個人的にあらためて感じたのは、やはり「戦略はフィクションである」ということです。 というのも、グレイ自身はソ連に対抗するためにアメリカの核戦略をアドバイスしていたわけですが、なにせ核兵器というのは、歴史アメリカが日に対

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  • ISISを馬鹿にするイタリア人 | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は雨上がりの朝でしたが、天気はぐずついたままです。やはり朝晩はまだ寒いですね。 さて、先週の生放送(http://sp.nicovideo.jp/watch/1425896356)でも触れたトピックですが、NYタイムズのコラムニストで「レクスサスとオリーブの木」、また「フラット化する世界」などの著作でも有名なトーマス・フリードマンが、ISISに関する含蓄のある記事を書いておりましたのでその要約を。 大きくわけると内容が3つのトピックにわかれるため、一つのコラムとしてはややちぐはぐな印象を受けるかもしれませんが、それぞれがいいところを突いているかと。 ==== ローマへ向かうISIS by トーマス・フリードマン ●イタリア人はうまいことやった。先週のことだが、ISISは残虐なビデオを発表した後に「われわれはアラーの許しを得たのでローマを征服することにした」と警告している。 ●

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  • 日本のネットユーザーたちはISISを打ち負かしている? | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部はよく晴れましたが、夕方から曇り始めました。寒さは少し柔いだような。 さて、遅ればせながら、いわゆる「ISISクソコラグランプリ」案件について、海外で最初にネット上で評価した英文記事を要約してみたいと思います。 掲載されているのはアメリカのマイナーなニュースサイトなのですが、日のネットユーザーたちの勇気ある行動(?)を絶賛しております。 すでにネット上ではこの記事の一部が訳されているようですが、ここではちょっと長めにご紹介します。 この記事については今夜の生放送(http://live.nicovideo.jp/gate/lv205843016)でも詳しく解説してみたいと思っております。 === ISISのプロパガンダにたいする日のくだらない反応は、アメリカ政府が達成できなかったことを達成してしまった。 by E.A. ウェイス ISISは日から人質解放の身代金として2

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  • 創造性を上げるには「孤独」になれ | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は朝から雨です。しかもけっこう土砂降り。私も体調がすぐれないので家でゆっくりしております。 さて、地政学や戦略とは全く関係ないかもしれませんが、みなさんの職場の環境づくりにヒントになるような論考がありましたのでそのご紹介を。 ちなみに私のような個人業者(?)にとっては非常によくわかる話です。 ==== 「新グループシンク」の台頭 By スーザン・ケイン ●「孤独」というのは時代遅れである。 ●アメリカでは「新グループシンク」(New Group Think)というべきものが大流行中である。これは「グループや集団でどんどん働きましょう」という考え方だ。 ●この典型的なのが、「オフィスの壁を取り払って、アイディアを交換しながら、創造的に働く」という最近の職場環境の風潮だ。 ●ところがこのような風潮には大きな問題がある。なぜなら最近の心理学の調査研究では、人間というのはプライバシー

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  • ドイツの新しい反ユダヤ主義:リベラルのパラドクス | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部はよく晴れておりまして、気温も秋晴れの空の中で少し上がっております。相変わらず過ごしやすいですね。 さて、ニコニコ動画の生放送(http://ch.nicovideo.jp/strategy/live)でも触れたドイツの新しい反ユダヤ主義の台頭についての記事の要約を。 今回の記事について番組中で触れたところはYoutube(http://youtu.be/TU5nQH985W8)の方にも公開しておりますので、ぜひ御覧ください。 それにしてもなかなか考えさせられる話です。 === ドイツの新しい反ユダヤ主義の背景にあるのは? byヨッヘン・ビットナー ●ヨーロッパは反ユダヤ主義の新たな波にさらされている。ドイツの「ユダヤ人中央協議会」の代表は、ヨーロッパにおいて第二次大戦以来の最悪の状態だと述べているほどだ。 ●彼の見立てはおそらく正しい。シナゴーグ(ユダヤ教寺院)への攻撃はほ

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  • イスラエルはなぜガザのトンネルを必死に潰すのか | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は朝から曇りでありまして、暑さは一段落ですが相変わらず湿気で汗が出ます。台風は来ないんですかね? さて、今夜の生放送(見逃した方もタイムシフトで見れます)の参考のために、とても興味深い記事の要約を。 内容は軍事トンネルの歴史を振り返りながら、なぜイスラエルがガザのトンネルを必死で潰そうとしていたのかを探るものです。 スコットランドの大学の歴史の先生による記事ですが、目の付け所が面白いですね。 === 眼下の敵:なぜハマスのトンネルはそれほどまでイスラエルを恐怖を与えているのか byジェラード・ディグルート ●ルイス・カレロ・ブランコ提督は予測可能性の典型的な例であり、この予測可能性が彼を殺した。カレロ・ブランコ氏はスペインの首相であり、フランシスコ・フランコに後継者として指名されていた。彼はマドリッドにある教会で毎日同じ時間に行われるミサに参加していた。 ●1973年にETA

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  • ジェームス・ホームズ:「中国に沖縄取られたら」論① | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は朝からスッキリ晴れております。しかし風は強く、気温も低めでした。 さて、ジェームス・ホームズ海軍大学教授による「中国に沖縄取られたら」論が面白かったので、この要約を。 ちょっと長いので三回分にわけて掲載します。 === 中国は日の南西諸島を奪うかもしれない BY ジェームス・ホームズ ●4月6日に東京で行ったスピーチの中で、チャック・ヘーゲル国防長官はけっこうあからさまに中国の尖閣に対する侵略的な行動について触れている。 ●曰く、国家というものは「強制力、強要、そして脅しなどによって、国境を書き換えたり領土保全を破ったり国家の主権を侵害してはらない」ということであり、これは「太平洋の小さな島であろうが、ヨーロッパの大きな国家であろうと関係ない」というのだ。 ●その2日後に、ヘーゲル長官の相手となる中国の常万全国防相はそれに反論して、「中国は尖閣について議論の余地のない主権

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  • ブレジンスキー:ウクライナを「フィンランド化」せよ | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は朝から小雨が時折降るハッキリとしない天気でした。いきなり冬に逆戻りしましたね。 さて、すでに一部では報じられておりますが、ウクライナに関するブレジンスキーの意見がFT紙に出てましたのでその要約を。 === ロシアには、ウクライナをフィンランドにする選択肢が必要だ by ズビニェフ・ブレジンスキー ●ウクライナで混乱が勃発し、ロシアの介入の脅しが真実味を帯びてきた現在、西側諸国による建設的な結末の獲得の必要性はさらに高まってきている。 ●ロシアは、ウクライナを厳しく破壊的で国際的にも危険な内戦へと導くことができる状態にある。クリミアや東部の工業地帯のいくつかを分離独立させることもできるからだ。 ●ところがモスクワの支援を受けたいかなる形の内戦でも、その短期的な結果に関係なく、ウクライナのほとんどの国民をロシアの敵に回すことになってしまう。 ●これは実質的に、プーチン大統領自身

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  • ウクライナ国内の「世界観」の分裂 | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は朝から雨が降っております。雪じゃないのがせめてもの救いですが、けっこう寒いですよね。 さて、ウクライナ情勢についてまた興味深い記事の要約を。 これを書いたのはドイツの記者なんですが、ウクライナ内の意識面での分裂状態を指摘していて、個人的には今回色々と読んできたウクライナネタの中では一番おもしろかったです。 === ウクライナの衝突する世界 by ヨッヘン・ビットナー ●先週ウクライナ東部を取材して回ったが、私は単純だが見落とされがちな事実に気付かされた。それは、今回の危機ではクリミア半島をめぐるもの以上のことが争われているということだ。 ●それは、同じ国に住んでいるにもかかわらず全く別々の世界に住んでいる、パヴェルとオスタップの若い二人の男たちの戦いでもあるということだ。 ●私はクリミア自治共和国の首都であるシンフェロポリに住むパヴェルに会ったが、彼はロシアの軍服を着ており

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  • サイバースペースにおける紛争の歴史 | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は朝方曇っておりましたが、昼前から晴れてきました。朝は涼しかったですね。 さて、シリア情勢がロシアの口出しのおかげでなんとなく落ち着いてきた(といっても内戦は続いていますが)感がありますが、今日は久々にの紹介を。 A Fierce Domain: Conflict in Cyberspace, 1986 to 2012 by Jason Healey 題名を直訳すると「獰猛な領域:サイバースペースにおける紛争、1986〜2012年」という感じでしょうか。出版元はワシントンのシンクタンクで、主に世界各国の首脳と強いコネを持つことで有名な「大西洋評議会」(Atlantic Council)。 の体裁の質はやや劣るものの、オススメの言葉がジョセフ・ナイやエストニアの大統領から出ているなど、その「コネ度」の高さは注目すべきであることがよくわかります。 内容はサイバー紛争にかんす

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  • ヨーロッパで高まる戦争の予感?その1 | 地政学を英国で学んだ

    今日のイギリス南部は朝からずっと雨です。 どうやら午前中に日の会社が冠スポンサーになっているマラソン大会があったようで、宿泊先の目の前の道路ではランナーたちが観客たちの声援と拍手を受けて必死に走っておりました。 さて、こちらでもちょっと話題になっていた論説記事の内容を、二回にわけて要約します。 イギリスではドイツを中心としたユーロ体制には不満が大きいようで、イギリスはユーロから離れるべきだという意見が私の周辺でもけっこう聞かれます。 ====== ドイツが再び大戦争を勃発させる? by ドミニク・サンドブルック ●世界は歴史の曲がり角に立っている。莫大な経済力が国際政治の風景を作り替えているからだ。イギリスでは首相が何度も迫る危機に翻弄されており、海外ではヨーロッパの中心からアジアの端にいたるまで経済力を持った大国が台頭している。そして歴史上最大の新しいドイツ帝国の誕生もささやかれている

    ヨーロッパで高まる戦争の予感?その1 | 地政学を英国で学んだ
  • ヨーロッパで高まる戦争の予感?その2 | 地政学を英国で学んだ

    今日のイギリス南部は朝まで雨が降り続いておりましたが、昼近くになってから少し晴れ間が。相変わらず寒いですが。 さて、昨日の記事の要約のつづきです。ここ数日のキプロスの話とからめると、この辺りの話は興味深いところですね。 ====== ●ここ数年の間に、メルケルが楽しんでいたフランスの右派のニコラス・サルコジとの親密な関係は、莫大な公共事業に投資のによる経済復活を公約して政権についた社会主義者のフランソワ・オランドの登場によって消滅した。したがって、独仏間にはイデオロギー面での深い対立があるといえる。 ●ナチスの制服を着ているアンゲラ・メルケル首相の人形が燃やされるギリシャの苦悩はよく報じられているが、ポルトガルも同じく厳しい状況にある。2011年の780億ユーロの救済措置の後にポルトガル国民は国からの福祉援助資金をカットされ税金が上がっており、いくつかの祝日がなくなったほどだ。 ●スペイン

    ヨーロッパで高まる戦争の予感?その2 | 地政学を英国で学んだ
  • アバターの「政治」 | 地政学を英国で学んだ

    今日のイギリス南部はまたまた曇っておりますが、さすがに雪はそろそろ溶けてきました。あいかわらず寒さは続いておりますが。 日でも公開されている3D映画の「アバター」ですが、NYタイムズの保守派コラムニスト、デヴィッド・ブルックスが面白い指摘をしておりましたのでその紹介を。 これには「映画」と「人種問題」、それに「アメリカの帝国主義」という興味深いテーマが含まれております。 ================= The Messiah Complex By DAVID BROOKS これから映画アバター」を見ようとしている方々は、脚の中で起こる大きな流れは知っておくべきであろう。 どの時代にもある種の伝説がつくりだされるものだが、現代では「白人の救済者」という伝説がつくられているようだ。 これは、若い冒険家が未開の大自然の中にスリルと宝を求めて入って行くという、よくある話である。しかしこの

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