文:山田治生(音楽評論家) 今年は、レナード・バーンスタインの生誕100周年にあたり、フェスタ・サマーミューザ2018でも彼の作品が大々的に取り上げられる。バーンスタインは、晩年、カラヤンと並ぶ巨匠指揮者として人気を博していたが、もともとは作曲家としても活躍。交響曲やオペラから、ミュージカル、ジャズ、映画音楽まで、幅広いジャンルに作品を残した。また、ピアノ演奏や教育活動も手掛けるなど、まさに20世紀を代表する“ミュージシャン”であった。 7月21日の東京交響楽団によるオープニングコンサートでは、東響音楽監督のジョナサン・ノットがバーンスタインの「ウエスト・サイド・ストーリー」から“シンフォニック・ダンス”を振る。「ロミオとジュリエット」のマンハッタン版である「ウエスト・サイド・ストーリー」は、1957年に初演され、ミュージカルの歴史を変えた傑作。バーンスタインはこのミュージカルに、クラシッ