「すべてにおいて満点の物件はない。どの部分に力を入れているか、それが物件ごとの個性」と長嶋氏は言う。 不動産には、エリアごとの相場がある。住宅性能は年々、進化しているとはいえ、世の水準より優れた仕様にすれば、そのぶんコストも跳ね上がる。相場なみの価格に抑えるためには、100点を狙わない部分も出てこざるを得ない。 「複数の物件を見比べれば、広さではこちらが上、耐震性ではこちらが上、と、それぞれに強み弱みがあるはず。後で後悔しないよう、自分にとって欠かせないポイントは何か、きちんと優先順位を決めておくことが大切」(長嶋氏) 長嶋氏によれば、「耐震・省エネ性」「可変性」「メンテナンス性」の3つは、最近、ディベロッパーが力を入れているポイントだという。これら3つにコストをかけた分、居住面積はやや狭めとか、駅からやや遠め、といったマイナスポイントが出てくるわけだ。 「立地などよりも、とにかく広さ優先