昭和22年8月2日衆議院司法委員会における佐藤藤佐司法次官 終戦後、思想の混亂また経済生活の窮迫に基きまして、またさらに遡れば戦時中青少年に對する教育指導が適切に行われておらなかつたというような、いろいろな原因に基きまして、終戦後青少年犯罪が非常に殖えているのであります。これは各國の歴史においても示されているのでありまするが、最近においては殊に青少年犯罪の數が激増しているばかりではなく、その罪質が非常に凶悪な犯罪が多いのでありまして、この點は識者の非常に憂えているところであります。殊に将来のわが國を擔うべき青少年の責任を思いますると、まことに寒心にたえないのでありまして、この青少年犯罪の予防防遏ということにつきましては、これは政府全體として非常な関心をもつていろいろな對策を講じているのであります。司法省といたしましては、少年法あるいは矯正院法等を活用いたしまして、青少年犯罪の保護善導に極力