バラク・オバマ米大統領はなぜ、環太平洋経済連携協定(TPP)締結にこれほど必死になっているのだろうか。長ったらしい公式見解の答えは、大統領はTPPが太平洋の主要経済国12カ国間の障壁を取り壊し、ひいては一層の繁栄をもたらすと考えている、というものだ。短い本当の答えは、中国である。 TPPに関する極めて重要な事実は、これが米国、日本、その他10カ国の環太平洋諸国を含むが、中国は除外する貿易協定だということだ。 TPPを取り巻くワシントンの議論の大半は、貿易交渉が投げかけるありきたりな議論――つまり、農家、通貨、知的財産に関する議論だ。だが、オバマ氏と日本の安倍晋三首相の根本的な動機は、戦略的なものだ。 しかし、日米両政府にとっては残念なことに、TPPは、たとえ実現したとしても、TPPに託されたすべての地政学的な期待を正当化するほど大きな意義のあるステップではない。 日米両国の戦略的な動機 T
日本では「大阪都構想」の住民投票が行われたそうだが、わたしが住む英国では、EU離脱の是非を決める投票が2017年末までには行われることになっている。が、この国では離脱のメリットやデメリットの議論以前に「いったい誰が投票するのか」、つまり、これは国民投票になるのか住民投票になるのかという大きな問題が浮上している。 誰に投票資格が与えられるのか 英国のEU離脱問題が報道されるとき、日本語ではなにげなく国民投票と書かれているので、「ああなるほど国民が投票するのね」と片づけられがちだが、英国の場合、実はそんなに簡単な話ではない。 例えば先日行われた総選挙では、投票資格者は英国市民権所有者と英国在住の然るべき資格を有する英連邦(コモンウェルス)諸国市民、そして英国に住むアイルランド共和国市民だった。 一方で英国内に居住するEU諸国市民も、地方選挙とEU議会議員選挙では投票権が与えられており、スコット
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