欧州連合(EU)は前進するために危機を必要としている――ブリュッセルにはそんな、聞くとほっとするような決まり文句がある。しかし、今日の欧州が直面しているさまざまな問題の盛り合わせ――難民、ユーロ、そして英国のEU離脱の危険――は、EUを強化するどころか押しつぶしてしまう可能性の方がはるかに高いように見える。 EUの基本的な功績と教義のいくつかが、ここ数十年間で初めて脅威にさらされている。 具体的には、単一通貨ユーロ、域内の国境開放、域内の労働力の自由移動、そしていったん加盟したら永久に加盟国であり続けるという認識がそれにあたる。 EUはこうした困難に立ち向かうどころか、その圧力を受けてきしんでいる。加盟28カ国は激しく言い争っており、共通の問題への効果的な対策を練ることなどできそうにない。 言い争いの背景にある不穏な状況 加えて、こうした言い争いはある不穏な状況を背景に起きている。第1に、
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