ケンブリッジ大学の政治学者デイヴィッド・ランシマンの大統領選挙に関するエッセイの翻訳です。 センセーショナルなタイトルですが、これはいわば反語で、ポール・クルーグマンが言うようには、アメリカは失敗国家になったのではないというわけです。ランシマンの見解としては、国家の基本的な制度上の仕組みによって、ブレクジットもトランプも、結果が温和なものとなるだろうというものです。ブレクジット派もトランプ派も、自分たちの選択によって本当に国家を生まれ変わらせるような破滅的な結果になるわけではないと思っているどころか、国家が自分たちの選択の打撃を吸い取ってくれる、その破滅的になったかもしれない帰結から自分たちを守ってくれる、そう思っています。彼らがそうした選択を行ったのは、単に国家を懲らしめてやろうというそのような思いからだけだ、というのです。ブレクジットを選択しようが、トランプを選択しようが、現状は何も変