5日エントリで紹介したWerningのアセモグルらとの共著論文解説では、統計的生命価値(VSL)を定めることを回避していた。一方、前回エントリで紹介したミネアポリス連銀論文では、VSLの決定がモデルの中で重要な役割を果たしている。 VSLについて、ググって見つけたこちらの論文*1を引用する形で簡単に解説すると、以下のようになる。 1期VSLモデルにおいては、個人は以下の効用を最大化しようとする*2。 V ≡ pu(w) + (1 − p)v(w) (1) ここでpは当期を生き抜く確率, u(w)は当期を生き抜いた場合の富wの効用、v(w)は当期に死んだ場合の富wの効用(遺贈の効用)である。uとvは2次微分可能であるとし、以下の関係が成り立つものとする。 u > v, u' > v' ≥ 0, u'' ≤ 0 and v'' ≤ 0. (2)