喜寿を過ぎて亡くなった父の法要の準備中、 ふと気になって実家の仏壇の過去帳をめくってみた。 母は仏壇の花が萎れてきたらスーパーの花で補充するぐらいには信心深いが、 オレは帰省中に母に頼まれたら水を変える程度、 それまで過去帳の中身には特に興味はなかった。 驚いた。 「◯◯家嬰児」と書かれた項が、年月日付きで4つもあった。 一人目は、兄と姉が生まれた間。 兄は間違いなく婚礼初夜で仕込まれ、姉の誕生日はその1年10ヶ月後。 オレは姉の二歳半下だが、オレが生まれる前に二人。 さらにオレが生まれた翌年に一人。 ウチの親、どんだけ妊娠しやすいねん。 全部不慮の流産なのか、何人かは中絶なのか。 そういえば、父が医療ミスの影響で生死の境を彷徨っていた頃、 憔悴した母がポロッと口に出した。 「私が中絶なんかしたからこんなバチが当たるんや」 母からは、かつて父は薄給で暮らしが大変だったことを何度も聞かされた
![3人きょうだいだが、他にも4人きょうだいがいた(追記の追記あり)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/b1638cdb5807a4788e4ba3c1109a984166e095fc/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fanond.hatelabo.jp%2Fimages%2Fog-image-1500.gif)