近年、英国のバス停のベンチの奥行きが異様に狭くなってきた。しかも、それは後部から前部に向かって下向きに傾斜しており、座るというより、半立ちの状態でお尻を預けることしかできない。また、公園のベンチも肘掛けがベンチの両脇ではなく中央に斬新なアングルでついているものや、背もたれと座席の角度が90度以下という腰痛の原因になりそうなものなどが出現し、ゆったりと座ることができない。 これらのデザインはいずれもアンチ・ホームレス・アーキテクチャーと呼ばれるものだ。要するにホームレスが長時間座ったり寝転がったりできないようにしてあるのだ。が、これを一歩推し進めた建築物がロンドンに登場し、マスコミに取り上げられて大きな物議を醸している。ロンドン市内の高級マンションが、正面玄関の外側スペースに尖ったメタルの鋲を打ち付けてホームレスがそこに座れないようにしたのである。コンクリートに突出する銀色の鋲のヴィジュアル