韓国では「精神保健法第24条」というものがあるそうで、これによれば、保護者2人の同意と精神科専門医1人の診断があれば、患者本人の同意がなくとも「保護入院」という名のもとに強制入院を実行できるのです。つまり、正常な人間でも、周囲が精神疾患だと決めつければ合法的に入院・拘束させることが可能。病院側もこうした“患者”を受け入れることで補助金がもらえるとあって、実際に財産等をめぐる親族間の争いでこの法律が悪用されるケースが続発。社会問題にもなっていました。 この映画『消された女』は、そうした現状をヒントに作り上げられたサスペンス・ミステリーです。 事件の調査を始めたナムス(イ・サンユン) TVの報道番組『追跡24』の花形プロデューサー、ナ・ナムス(イ・サンユン)は、番組のやらせ問題の責任をとらされて干されていました。そんな彼のもとに、焼け焦げた一冊の手帳が届けられます。それは、理由もわからぬままに