「Canucks Anonymous」エントリ紹介シリーズの7回目。今日は5/26エントリの2つ目。 オイラー式と流動性の罠 本エントリは、直近のエントリの続きである。 自然利子率というのは、完全雇用下の実質金利である。この金利は、消費のオイラー式と、投資における企業利益最大化条件――実質金利と資本の限界収益率の均等化――から同時決定される。 何らかの理由により、経済で支配的な実質金利が自然利子率より高いものとしよう。オイラー式というのは効用最大化条件に過ぎないので、各主体は常にその条件を満たす消費を選択しようとする。各主体にとって、今日の消費水準は選択変数だが、実質金利は所与のものであることに注意しよう。もし実質金利が自然利子率に比べ高すぎるとすると、1/(1+r)は低すぎることになり、オイラー式を満たすために明日と今日の消費の限界効用の比を下げる必要が生じる。この比を下げる方法は、今日