Madoff氏の詐欺に警鐘をならした人として、資産運用会社Rampartに勤務し、2000年から度々SECに警告していたHarry Markopolos氏が有名ですが、2001年にWSJ系の雑誌であるBarron’sも、オプショントレーダーや投資家からの話を受けて、同氏のスキームが怪しいという内容の記事を書いていたそうです。上記の本は、その記事の著者によるものです。 同著に関する書評記事「Madoff Got Cozy With SEC, Ran Ponzi Scheme on Creaky IBM(マドフ詐欺成功の鍵はSECとの良い関係、道具は旧型IBM)」が、8月11日のBloombergに掲載されていて、目に留まったので、その記事も参照しつつ、この事件について少々書いてみたいと思います。 詐欺の仕組み Madoff氏の詐欺の仕組みは極めて単純で、新規の投資家から集めたお金を、既存投資