やれやれ、今日の日経では、内閣府が世代間格差の試算をしたという。「得」をしている高齢者世代と「損」をしている若年者世代を結びつける、いつもの「誤れる世代間負担論」だ。その問題性については、本コラム「社会保障」の11/28「世代間の不公平を煽るなかれ」や12/3「世代間負担論の到達点」を読んでもらいたいが、こういうものを国が権威づけるのは、いかがかと思うね。まさか、財政当局のように、分かってやっているわけではあるまいが。 かく言う筆者も、研究を始めた当初は、年金を積立方式に転換する場合の負担の大きさを推計するようなことをしていた。ところが、必要な負担増はGDPの2%ほどになってしまい、そうした貯蓄増を実現するには、バブル期並みの超高投資でなければ吸収できないことに気づき、途中でやめた経緯がある。 いまだに年金問題を負担増で解決しようと言う人は、負担増で余らせた貯蓄を、どんな投資で消化するかを