川崎フロンターレの中村憲剛と名古屋グランパスの風間八宏監督、ふたりが5月17日の対戦後、奇しくも同じ感想を口にした。 「本当にこういう中でやると、選手たちは成長していくんじゃないかって感じた」 中村がそう振り返れば、風間監督も満足そうな表情をのぞかせた。 「こういう中でやっていくことで、選手ももっと良くなると感じました」 “こういう中”とは、技術を磨きに磨いた両チームが流麗なパスワークと苛烈なプレッシングを応酬し、互いの良さを引き出し合った90分のこと。 それはまさに、エンターテインメントの頂上決戦、あるいは、技術の品評会……、いや、そんな陳腐なキャッチフレーズはどうでもよくて、とにかく、うまくて、速くて、鮮やかで、美しかった。 「サッカーって面白い」(憲剛) 「今日はサッカーを楽しんだ。改めてサッカーって面白いな、ってすごく思った」 約1カ月間、負傷離脱していた中村にとって、この試合は復