『☆チョコレート嚢腫のある方の注意点』
チョコレート嚢腫（子宮内膜症性嚢胞）を持っている患者さんは結構いらっしゃいます。本論文は、両側にチョコレート嚢腫のある方をオペせずに採卵した場合、嚢腫のない方と比べ、採取できた卵子数は2.7個少ないものの受精率や妊娠率は同等であることを示しています。 Fertil Steril 2013; 99: 1714（スペイン） 要約：両側にチョコレート嚢腫を持つ39名の女性（チョコレート嚢腫群）と、年齢、BMI、既往妊娠、不妊期間、day 3のFSH、AMH、AFC（胞状卵胞数）をマッチさせた嚢腫のない対照群78名の、体外受精での卵巣刺激の反応性と卵の質を後方視的に調査しました。超音波における発育卵胞数（10mm以上）はチョコレート嚢腫群（9.6個）が対照群（14.1個）より有意に少なく、採取できた卵子数はチョコレート嚢腫群（7.1個）が対照群（9.8個）より有意に少なくなりました。しかし、成熟卵
羽島市民病院
〒501-6206 岐阜県羽島市新生町3丁目246番地 TEL：(058)-393-0111 FAX：(058)-393-0821 トップページ 診療科・専門外来 婦人科「子宮内膜症、特にチョコレート嚢胞の治療について」 診療科・専門外来のご案内 Ⅰ.子宮内膜症、特にチョコレート嚢胞 1.子宮内膜症の問題点 子宮内膜症は生殖女性の３～１０％に発生するとされるポピュラーな疾患で近年増加傾向にあるようです。女性の一生を通じて''Quality of Life``を著しく損なう疾患で、4つの困った問題点があります。1つ目は痛み、それも"日常生活に影響するほどの痛み"を起こすこと。90％の患者さんは月経痛を訴えますし、月経期以外にも腹痛や腰痛、或いは排便痛をきたします。卵巣に発生した内膜症（チョコレート嚢胞）はしばしば破裂して急性腹症を呈し、急性虫垂炎として緊急手術中に発見されることも珍しくありま
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