いま世界では、家族だけで営むような小規模な農業に注目が集まっています。この動きを後押しするように、2017年末の国連総会で2019〜2028年を「家族農業の10年」とすることが採択され、いよいよ今年からスタートしました。さらに2018年末の国連総会では、「小農と農村で働く人びとの権利に関する国連宣言(小農の権利宣言)」が採択されています。こうした大きな枠組みを概観しながら、小規模な農業の価値や私たちの暮らしとの関係を考えてみましょう。 国連が勧める「小さな農業」とは? 「家族農業の10年」は、家族農業を中心とした農業政策の促進を目指した国連の啓発活動です。「小農の権利宣言」とは読んで字のごとく、小農や農村で働く人びとの権利を守ろうという宣言で、農業に必要な自然資源を利用する権利や、農業政策などの策定プロセスに参加する権利などをうたった全28条からなります。いずれも法的拘束力はありませんが、
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