システム開発の強い現場には,何らかの「仕組み」がある。現場で磨き上げられた仕組みに皆が自然と従い,仕事のやり方や職場環境を常に改善していく。そんな仕組みを追い求めて,今年初めから30社以上の開発現場を訪れた。日経SYSTEMS 2009年4月号の特集記事に向けた取材である。 特集の執筆を終えたあと,三菱東京UFJ銀行のシステム統合プロジェクト「Day2」の開発現場を取材する機会を得た。ITproで何回も取り上げたのでご存じの方も多いと思うが,3年の期間をかけ,6000人が団結して成し遂げた世界最大規模のプロジェクトだ(関連記事1,関連記事2)。 Day2のプロジェクトでも,現場からさまざまな仕組みが生まれていた。取材で聞いた二つの仕組みを紹介しよう。 移行時のテストケースやリスクを洗い出す 二つの仕組みを作ったのは,法人向けサービスの分散基盤を開発する部隊である。Day2では,各種アプリケ