今年1月1日、アメリカ合衆国コロラド州の州都デンバーで、レクリエーション用のマリファナ販売が開始された。販売免許をもつ店の前には、開店前から大勢の人たちが列を作り、販売開始が待ちきれない様子であった──このニュースはNHKをはじめとした日本のマスメディアでも取り上げられ、われわれの知るところとなった。 この販売開始は2012年11月に可決したコロラド州憲法の改正(Colorado Amendment 64)に基づくものである。この改正により同州ではマリファナの個人使用をアルコールと同じように扱うことになった(*1)。販売に課税することで税収増を目的とするのである。 アメリカ合衆国のマスメディアは今回の販売開始をアメリカ史上初のこととして大きく取り上げ、アメリカにおける薬物の歴史を変える出来事と論じており、CNNにいたってはコロラド州がマリファナ産業のシリコンバレーになるかもしれないなどとも