6月、JALの開設するFacebookに次のようなコメントが投稿された。「倒産して税金でやってる会社……調子乗ってんじゃねえよ!」。重量管理システムの不具合などで国内便178便が欠航となったことを詫びるJALに対して非難の声を書き込んだのは、ANAの現役機長。そのことがネット上で特定されるという経緯もあって、なにげなく発せられたであろうひと言は思わぬ形で大騒動に発展した。 経営コンサルタントという立場で航空業界とかかわってきた私は、冒頭のコメントを見て大きな驚きを禁じ得なかった。機長の批判があまりにも的外れだったからだ。JALは本当に「倒産して税金でやっている会社」なのか? ここで改めて経営破綻後のプロセスを整理してみよう。 JALは2010年1月に会社更生法の適用を受け、倒産した。上場廃止によって株券は価値を失い、取引先の銀行は計5215億円もの債権放棄を迫られた。新経営陣の下、企業再生
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