現在ディズニーによる映画化が注目を集めているバレエの名作、『くるみ割り人形』。初演から100年以上経つこの作品には、いまや看過できないアジア文化への古典的ステレオタイプが散見されていた。近年アジア系ダンサーを中心に、こうした時代遅れの文化的表現を改める動きが起こっている。 ステレオタイプの塊だった「お茶の精」 『ジョージ・バランシン版くるみ割り人形』──11月23日にリンカーン・センターで始まった、ニューヨーク・シティー・バレエ団によるホリデーシーズン恒例の上演だ。その第二幕で、お菓子の国を訪れたマリーと王子は、金平糖の精や葦笛型キャンディー、スペインのホットチョコレート、アラビアのコーヒーや中国のお茶と出会う。 文化的ステレオタイプに対して敏感な反応が増えつつある時代に、中国茶の踊りの場面──指を立てる動きやクーリー・ハット、男性ダンサーがつけるフー・マンチュー風の口髭──は、観客にとっ
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