米軍普天間飛行場移設問題などをめぐり、日米関係の混迷が深まっている。日米関係に詳しいジェラルド・カーティス米コロンビア大教授に、問題の背景と展望について聞いた。(聞き手 松尾理也) −−普天間基地をめぐる現在の状況が、日米関係を脅かす可能性はあるか 「普天間基地問題は重要だが、日米関係全体を危険にさらすほど重要ではない。日米関係が危機を迎えるとすれば、それは日米双方の取り組みのまずさによるものだ。どちらの政府にも、この問題を扱う上で不手際が見られる」 「まず米国側は、政権交代が起き、新しく政権の座に就いた民主党が選挙戦で普天間合意の見直しに言及していたにもかかわらず、性急に、しかもきわめてあからさまに、辺野古への移転以外に選択肢はないという姿勢を押しつけた」 「しかし、より深刻な問題は日本側にある。なによりも、鳩山政権はなぜ辺野古への移転を拒否するのか、なぜ移転合意の受け入れに難色を示すの